訪欧外国人旅行者の支出、今年は11%増の見通し=業界団体

5月29日、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、今年の欧州を訪問する外国人旅行者の支出総額が前年比11%増の8380億ドルになるとの見通しを示した。スペイン・マヨルカ島で昨年5月撮影(2025年 ロイター/Juan Medina)
[マドリード 29日 ロイター] - 世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は29日公表した報告書で、今年の欧州を訪問する外国人旅行者の支出総額が前年比11%増の8380億ドルになるとの見通しを示した。フランスとスペインを訪れる旅行者数は過去最高に達する見込みだ。
こうした欧州の明るい見通しは、一部の旅行者が訪米を控える動きに影響されている可能性がある。WTTCは訪米旅行者の支出総額が今年、約7%減少すると予想している。
WTTCのジュリア・シンプソン最高経営責任者(CEO)は記者会見で、米国の隣国であるカナダとメキシコでは、トランプ米大統領の通商・移民政策や不利な外国為替レートを踏まえ、人々が米国への旅行を控えるかもしれないと指摘。これにより「欧州を訪問する旅行者が増えることになる」と述べた。
WTTCは、スペインを訪問する旅行者が今年、9800万人から1億人までの範囲となり、過去最高だった昨年の9400万人を超えると予想。同国での旅行者の支出総額は6%増えると見込んでいる。
WTTCによると、フランスを訪れる旅行者の方がスペインより多くなる。それでも米国は世界最大の旅行・観光市場としての地位を維持する見通しだ。