ニュース速報
ワールド

防衛費の増額要求ない、対日関税「わからない」=日米首脳会談で首相

2025年02月09日(日)10時29分

日米首脳会談を終え帰国した石破茂首相は9日、NHKの番組でトランプ大統領から防衛費の増額要求はなかったと語った。24年12月、官邸で記者会見する首相。提供写真(2025年 ロイター/ YUICHI YAMAZAKI/Pool via REUTERS/File Photo)

[東京 9日 ロイター] - 日米首脳会談を終え帰国した石破茂首相は9日、NHKの番組でトランプ大統領から防衛費の増額要求はなかったと語った。日本が関税の対象になるかは「わからない」とし、自動車関税について具体的な議論はなかったとも話した。日本製鉄が買収を目指す米USスチールは米国の会社であり続けると指摘した。

首脳会談に先立ち、日本が対GDP2%への引き上げを目指す防衛費についてトランプ大統領がさらなる積み増しを要求する可能性が懸念されていたが、首相は大統領から増額要求について「なかった」と明言した。日本は「哨戒機もミサイル防衛の新しい技術も必要だが、米国に言われてやることでない。日本に何が一番必要か、その結果として防衛費の額が決まる」と話した。

トランプ大統領が今週にも打ち出す見通しの世界各国に対する新たな関税策の対象国に日本が含まれる可能性について首相は「それはわからない」と述べた。トランプ大統領が懸念する米国の対日貿易赤字はこれからも減るとし、日本が米国からの液化天然ガス(LNG)輸入を増やすなど「どのように米貿易赤字が減るか具体的に示す」と述べた。首脳会談で「具体的に日本の自動車に対する関税の話は出たわけでない」とした。

日本製鉄のUSスチール買収を「投資」と表現した真意について、「単なる買収でない」とし、「USスチールは米国の会社であり続ける」と指摘。「日本に買収されて日本の会社になることにものすごく抵抗感があるなら、米国の企業であり高品質のものを作り続けることがトランプ大統領にとって大切なこと」と話した。

米国からLNGを輸入するメリットに関し「日本経済は中東の石油で動いているが、アラスカ油田開発は距離的にも(日本に)近接している」とし、安定的にリーズナブルな値段のエネルギーは国益にかなうと指摘した。

トランプ大統領が北朝鮮を核保有国と発言した経緯に関し、首相はトランプ政権は北を核保有国とは認めていないと話した。トランプ大統領が拉致被害者の安否を気遣っていたとも述べた。

初対面となったトランプ大統領の印象について「テレビでみると怖そうなおじさんだったが実際に会ってみると人の話をよく聞き、ここから先かなりじっくり落ち着いて話せる印象だった」と強調。会談は「いい結果になった」との認識を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ポーランド、最後のロシア総領事館閉鎖へ 鉄道爆破関

ビジネス

金融規制緩和、FRBバランスシート縮小につながる可

ワールド

サマーズ氏、オープンAI取締役辞任 エプスタイン元

ワールド

ゼレンスキー氏、トルコ訪問 エルドアン大統領と会談
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 5
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中