イスラエル、ベイルート空爆 ヒズボラ指揮官ら12人死亡
イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルート南郊で、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラ幹部を標的にした空爆を行った。ベイルートで同日撮影(2024年 ロイター/Mohamed Azakir)
Laila Bassam Maayan Lubell
[ベイルート/エルサレム 20日 ロイター] - イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルート南郊で、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラ幹部を標的にした空爆を行った。この攻撃により、ヒズボラの作戦指揮官イブラヒム・アキル氏が死亡した。イスラエル軍とレバノンの治安筋2人が明らかにした。
アキル氏はヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」のメンバーとともに会議中に殺害されたという。
レバノン保健省の発表によると、この攻撃で少なくとも12人が死亡。66人が負傷し、うち9人が重体だという。
現地メディアは、付近にいた少なくとも10人が依然として行方不明で、その多くが子どもだと報じた。無人機(ドローン)は空爆から数時間後もベイルート南郊の上空を飛行し続けた。
ヒズボラは今回の攻撃について公式声明を出さず、アキル氏が標的にされたのか、あるいは殺害されたのか確認しなかった。
イスラエル軍は「ベイルートで標的を定めた攻撃を実施した」とした上で、空爆でアキル氏のほか、ヒズボラの上級指揮官約10人が死亡したと発表。声明で今回の行動は「イスラエル国民を守ることが目的」とし、地域情勢の悪化は求めていないとした。
イスラエルのメディアが伝えた短い声明によると、ネタニヤフ首相は、イスラエルの目標は明確であり、その行動が全てを物語っているとした。
またガラント国防相はXへの投稿で「新たな段階の一連の行動は、北部の住民が安全に自宅に戻るというわれわれの目標が達成されるまで継続されるだろう」と述べた。
イスラエルがベイルートでヒズボラの最高軍事司令官を攻撃したのはここ2カ月弱で2度目。7月には空爆によりヒズボラ司令官で作戦本部トップのファド・シュクル氏を殺害した。
米国務省のウェブサイトによると、1983年にレバノンで海兵隊員を殺害した爆破事件に関与したとして、アキル氏には700万ドルの懸賞金がかけられていた。
これに先立ち、イスラエル軍はベイルートで「標的を絞った攻撃」を実施したと発表。レバノンの治安筋によると、攻撃を受けたのはヒズボラの主要施設付近だった。
ヒズボラの指導者ナスララ師は19日、17、18日の両日に発生した通信機器の一斉爆発について、イスラエルによる「宣戦布告」とみなされると主張。イスラエル軍は18日夜から19日にかけてレバノン南部の複数の標的を戦闘機などが攻撃したと発表している。