インドネシア中銀、現時点で追加利上げ不要=総裁
[ジャカルタ 24日 ロイター] - インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁は24日、現時点で追加利上げの必要はないと述べた。
ルピアは先週、対ドルで2020年以来の安値に下落したが、海外市場の不透明感が強まっていることが一因だと指摘。
国内企業が海外株主への配当支払いのためにドルを買っていることや、年内の大統領交代を控え市場で財政リスクが意識されていることも、ルピアの圧迫要因だとの認識を示した。
議会の金融委員会で「現時点で主要政策金利を引き上げる必要はない」とし、為替介入とSRBIと呼ばれるルピア建て証券の活用で十分だと発言した。
今年末まで低インフレが続くと予想。「経済成長への悪影響もない」と述べた。
地政学的な緊張や、天候によるサプライチェーンの混乱、米金利の高止まり、米政府の国債発行計画が引き続き世界の不透明感を高める要因になっているとも指摘した。
中銀は先週、政策金利を据え置き、ルピア相場の安定に向け他の手段を微調整すると表明。海外の不透明感が後退すればルピアの上昇基調が再開するとの見通しを示した。
ワルジヨ氏によると、中銀は先週、ポートフォリオ投資を促すため、大量のSRBIを売却。ルピア相場の安定に向け為替介入を補完する手段としたいと発言した。
今後もルピアの安定維持という責務に基づいて政策を運営するとし、必要であれば利上げも含め、あらゆる利用可能な手段を活用すると語った。