ニュース速報

ワールド

米がベトナム向け過去最大規模の武器売却を協議=関係者

2023年09月25日(月)09時10分

 バイデン米政権は、ベトナムに過去最大規模の武器売却を行う協議を進めている。事情に詳しい2人の関係者がロイターに明かした。写真はバイデン米大統領。ハノイで11日撮影(2023年 ロイター/Evelyn Hockstein)

Trevor Hunnicutt Nandita Bose

[ワシントン 23日 ロイター] - バイデン米政権は、ベトナムに過去最大規模の武器売却を行う協議を進めている。事情に詳しい2人の関係者がロイターに明かした。

関係者の1人の話では、売却対象にはF16戦闘機などが含まれ、来年中にも合意に至る可能性がある。バイデン大統領とベトナム最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長は11日に共同声明を発表し、両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げしており、大規模武器売却はそうした取り組みの集大成となってもおかしくない。

一方この動きは中国の反発を招く可能性もある。ベトナムと中国の間では南シナ海における長年の領海問題を巡る対立が強まり、ベトナム側が海軍力の拡充を図ろうとしている理由の1つにはこうした状況がある。

米国とベトナムの話し合いはまだ始まったばかりで、細かい条件を詰める作業はこれからになるため、最終的に協議がまとまるかどうかは現時点では分かっていない。ただ過去1カ月にハノイやニューヨーク、ワシントンなどで開かれた両国高官の交渉でもこの武器売却が重要な議題の1つになったもようだ。

もう1人の関係者は、米国は財政が苦しいベトナムのために高額な装備品調達に向けた特別な資金支援の枠組みも検討していると述べた。

ある米政府高官は「われわれはベトナム側と非常に生産的で有望な安全保障上の関係を結んでおり、特に領海監視や輸送機、その他幾つかのプラットフォームについて米国の武器システムに対して彼らから興味深い動きが見える」と述べ、ベトナムが本当に有益な武器を入手できるように資金面でより適切な選択肢を提供できる方法が米政府内で考慮されていると付け加えた。

米国のベトナム向け武器売却は2016年に解禁されたが、これまでの取引は沿岸警備艇や訓練用航空機などに限られ、ベトナムは武器の約8割をロシアから調達していた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反発、アマゾンの見通し好感 WBDが

ビジネス

米FRBタカ派幹部、利下げに異議 FRB内の慎重論

ワールド

カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブルージェ

ビジネス

NY外為市場=ドル/円小動き、日米の金融政策にらみ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中