ニュース速報

ワールド

OPEC、21年の原油需要見通し据え置き 下期の回復に期待

2021年05月12日(水)07時50分

 5月11日、石油輸出国機構(OPEC)は月次報告で、世界の原油需要が2021年に大きく回復するという見通しを維持した。写真はOPECのロゴ。2020年4月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ロンドン 11日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は11日に公表した月次報告で、世界の原油需要が2021年に大きく回復するという見通しを維持した。インドが新型コロナウイルス危機に見舞われているものの、中国や米国の景気回復が需要を支える見込みで、減産幅を緩やかに縮小していくOPECの計画を後押しそうだ。

21年の原油需要は、前年比で日量595万バレル(6.6%)増加する見通し。先月に示した見通しを維持した。

OPECは月報で「インドは現在、新型コロナに関連した厳しい課題に直面しており、第2・四半期の回復にマイナスの影響が出るが、21年下期には再び勢いが回復する見込みだ」とした。

世界第3位の石油消費国であるインドでは、新型コロナ新規感染者の7日間平均が11日に過去最多を記録した。同国の製油所は、稼働率を引き下げている。

OPECは第2・四半期の原油需要見通しを日量30万バレル引き下げる一方、第3・四半期の見通しは日量15万バレル、第4・四半期は同29万バレル、それぞれ引き上げた。

21年の世界経済成長率見通しは5.5%とし、先月に示した見通し(5.4%)から上方修正した。下期初めまでに新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響が「おおむね抑制」されると想定している。OPECは「回復は下期に大きく傾いている」とした。

OPEC加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は4月、協調減産を5月から段階的に縮小していくことで合意した。

OPEC加盟国の産油量はすでに増えており、4月は日量3万バレル増の同2508万バレルとなった。米制裁を理由に自主的な減産を免除されているイランが増産したことが背景。

月報では、テキサス州の寒波による米生産への影響を踏まえ、OPEC以外の21年生産見通しを日量70万バレル増とし、先月の見通し(同93万バレル増)から引き下げた。

これに伴い、21年のOPEC産原油の需要見通しは日量2770万バレルとし、先月の予想から20万バレル引き上げた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪6月失業率は3年半ぶり高水準、8月利下げ観測高ま

ビジネス

アングル:米大手銀トップ、好決算でも慎重 顧客行動

ワールド

WTO、意思決定容易化で停滞打破へ 改革模索

ビジネス

オープンAI、グーグルをクラウドパートナーに追加 
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 9
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中