ニュース速報

ワールド

世界の雇用、年内は新型コロナ前水準の回復見込めず=ILO

2020年07月01日(水)08時57分

 6月30日、国際労働機関(ILO)は、2020年下期の世界の労働市場の見通しは「かなり不透明だ」と指摘し、年内に雇用が新型コロナウイルス感染拡大前の水準に回復することはないとの見方を示した。写真は2011年8月、ロンドンの雇用センター前で撮影(2020年 ロイター/Suzanne Plunkett)

[ジュネーブ 30日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は30日、2020年下期の世界の労働市場の見通しは「かなり不透明だ」と指摘し、年内に雇用が新型コロナウイルス感染拡大前の水準に回復することはないとの見方を示した。

ILOは直近の報告書で、上期の世界全体の就労時間の縮小について「当初予想よりもかなり深刻」だったと指摘した。南北アメリカ大陸が特に打撃を受け、就労時間は18.3%減少した。

世界全体では、新型コロナの影響で、第2・四半期に就労時間は14%縮小した。これは、フルタイムの労働者4億人が職を失った計算になる。

第4・四半期の就労時間は4.9%(1億4000万人分のフルタイム雇用に相当)減少すると予想。新型コロナの感染第2波が押し寄せるという悲観シナリオの場合では、就労時間は11.9%(3億4000万人分のフルタイム雇用に相当)減少する見通し。

ILOのガイ・ライダー事務局長は会見で、新型コロナの影響で見通しを大幅に修正したと述べ、労働市場の回復は容易ではなく、急回復は見込めないと説明した。

報告書は、発展途上国で雇用が特に悪化していると指摘している。また、約93%の人が引き続き、新型コロナの影響で就労制限が導入されている国で生活しているという。

ライダー氏は、新型コロナは女性の就労に特に大きな影響を及ぼしていると指摘し、女性は食品や宿泊、小売り、不動産など、新型コロナの打撃が特に深刻な業種で働いている割合が高いと説明した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CB景気先行指数、8月は予想上回る0.5%低下 

ワールド

イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点を空爆

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中