ニュース速報

ワールド

豪州、新型コロナ感染鈍化でも対策強化 11億豪ドルの追加支援も

2020年03月30日(月)07時44分

 3月29日、オーストラリア政府は、新型コロナウイルスの1日の感染増加率がここ数日に半分に鈍化したものの、国民に公共の場を一段と避けるよう要請した。写真は26日、シドニーのオペラハウス前を清掃する作業員(2020年 ロイター/Loren Elliott)

[メルボルン 29日 ロイター] - オーストラリア政府は29日、新型コロナウイルスの1日の感染増加率がここ数日に半分に鈍化したものの、国民に公共の場を一段と避けるよう要請した。

公共の場での集会は2人までに制限。必需品の購入、運動、通勤、医療上の理由を除き、自宅にとどまるよう求めた。70歳以上には自主隔離を強く促した。

豪政府の首席医務官、ブレンダン・マーフィー氏は「外出する必要のない人は自宅にとどまるべきだ」と述べた。

モリソン首相は2人までとした公共の場での集会の制限について、これまでのケースのように違反者に罰金を科すかどうかなど執行方法は各州や準州の判断にゆだねるとした。

マーフィー氏によると、オーストラリアでは29日夜の時点で新型コロナ感染者は3978人となった。保健省の公式データ(3966人)をやや上回り、24時間に331人増加した。死者は16人。

保健当局者によると、社会的距離を確保する対策が寄与し、新型コロナの1日の感染増加率はここ数日に約13─15%に半減した。

同国では感染例の3分の2が海外からの帰国者と関係しているが、市中感染も、特に人口の最も多いニューサウスウェールズ州とビクトリア州を中心に増えつつある。

マーフィー氏は市中感染が最も懸念されるとし、これを止める必要があると強調した。

モリソン首相は、新型コロナ感染拡大による影響を受ける人の支援策として、今後6カ月間、「金銭的なストレス」を抱える賃貸住宅の居住者の強制退去を禁止する措置を発表し、さらなる措置を近く打ち出す方針を示した。

また、「最も影響を受けやすい」国民を支援するため、遠隔医療サービス、家庭内暴力の被害者支援、メンタルヘルスサービスに11億豪ドル(6億8000万米ドル)を投じると表明した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中