ニュース速報

ワールド

トランプ氏「欧州車に高関税」、通商交渉でEUに再び圧力

2020年01月23日(木)03時45分

トランプ米大統領は22日、欧州連合(EU)と通商を巡る合意が得られなければ、米国はEUの自動車に高税率の関税を課すと表明した(2020年 ロイター/JONATHAN ERNST)

[ダボス(スイス) 22日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、欧州連合(EU)と通商を巡る合意が得られなければ、米国はEUの自動車に高税率の関税を課すと表明した。

トランプ氏はこれまでもEUとの通商交渉の切り札として自動車関税の導入をちらつかせてきたが、実際の導入は何度も先送りしている。

スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席しているトランプ氏はCNBCのインタビューに対し、「欧州委員会のフォンデアライエン新委員長と会談した。素晴らしい人物で、会談は素晴らしかった。ただ、われわれが何も得られなければ、何らかの措置を取る必要があり、この場合の措置は米国に輸入される自動車などに対する高税率の関税となると伝えた」と述べた。

その上で、EUは通商問題を巡りディール(取引)を行う必要があるとし、「それ以外の選択肢はない」と述べた。

トランプ大統領はこれとは別にFOXビジネス・ネットワークのインタビューに対し、EUから輸入する自動車に対する関税率は25%に達する可能性があると表明。ディールが得られなければEUの自動車に25%の関税をかける。このため、最終的には極めて簡単になる」と述べた。

欧州自動車工業会(ACEA)の会長で欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)最高経営責任者(CEO)でもあるマイク・マンリー氏は「トランプ氏の過去の言動を見れば、彼は本気だろう。関係者がこの議論に真剣に取り組めば、友好的な結論に達することは可能だ。関税激化は誰の利益にもならない」と述べた。

このほかCNBCに対し、英国がEUを離脱した後に同国と貿易協定を巡り取引を行う用意ができていると表明。「ジョンソン英首相は友人で、ジョンソン氏は取引したいとの意向を持っている。自分自身もそれでOKだ」とし、「すでに英国と交渉を開始した」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ホンジュラス前大統領釈放、トランプ氏が恩赦 麻薬密

ワールド

プーチン氏と米特使の会談終了、「生産的」とロシア高

ワールド

米ブラジル首脳が電話会談、貿易や犯罪組織対策など協

ビジネス

NY外為市場=ドル対円で上昇、次期FRB議長人事観
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止まらない
  • 4
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 5
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 6
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 7
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 8
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 9
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 10
    【香港高層ビル火災】脱出は至難の技、避難経路を階…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中