ニュース速報

ワールド

第3四半期の中国GDP、前年比6.0%増 貿易戦争響き統計開始以来最低

2019年10月18日(金)15時02分

 10月18日、中国国家統計局が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.0%増と、伸び率は市場予想を下回り、1992年の四半期統計開始以来、最低だった。写真は北京の建設現場。1月に撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[北京 18日 ロイター] - 中国国家統計局が18日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.0%増と、伸び率は市場予想を下回り、1992年の四半期統計開始以来、最低だった。米中貿易戦争の影響による製造業の生産低迷が響いた。

第2・四半期の6.2%から減速し、政府の今年通年の成長率目標である6.0─6.5%の下限に落ち込んだ。当局がさらに刺激策を打ち出す必要に迫られるとの見方が強まりそうだ。

ロイターがまとめたアナリスト予想は6.1%増だった。

GDP統計を受けてMSCIアジア株指数(日本を除く)<.MIAPJ0000PUS>は下げに転じた。

最近の弱い中国経済指標は内需と外需の低迷を浮き彫りにしている。それでもなお、アナリストの大半は、過去の緩和サイクルで積み上がった債務が残るなか、当局が積極的な刺激策を打ち出す余地は限られているとみている。

華宝信託(上海)のエコノミスト、Nie Wen氏は予想を下回るGDP成長率は製造業をはじめとする輸出関連業種の弱さが原因と分析。

「輸出が回復する見込みがなく、不動産部門の伸びが鈍化する可能性もあるため、中国経済への下押し圧力は継続する公算が大きい。第4・四半期の成長率は5.9%に落ち込む見込み」と述べた。

「当局は政策を緩和する見通しだが、一段と控えめな形になる」と予想した。

国家統計局の毛盛勇報道官はGDP発表後に、2020年に予定される特別地方債の発行を一部、今年に前倒しする計画を明らかにした。地方のインフラ投資を促進する狙いがある。

長引く米中貿易戦争は、最近になって解消に向けて進展する動きがあったが、景気見通しが急速に改善する可能性は低い。

毛報道官は、消費者物価の上昇は加速しているが、変動が激しい食品価格が主因であるため、金融政策を変更する余地は十分にあるとの見方を示した。

<予想上回る指標も>

同時に発表となった9月の鉱工業生産は前年比5.8%増。アナリスト予想の5.0%増を上回り、GDPとは対照的に好調な内容だった。8月は急激に鈍化していたが、持ち直した。

ただ、華宝信託のNie氏は、世界的な需要の鈍化を踏まえ、製造業の改善が今後も持続するとは見込まないと述べた。

1ー9月の固定資産投資は前年同期比5.4%増。アナリスト予想と一致した。投資全体の60%を占める民間固定資産投資は前年同期比4.7%増。1─8月は同4.9%増だった。

9月の小売売上高は前年比7.8%増。アナリスト予想と一致した。8月は7.5%増だった。

9月の不動産投資は前年比10.5%増と、高水準を維持。

ただ9月の不動産販売は低迷。中国では例年9月に新築住宅の販売が増え「金の9月」とも言われるが、政府の投機抑制策を背景に販売は振るわなかった。

中海晟融資本管理の主席エコノミスト、チャン・イ氏は「インフラ投資が力強く回復する可能性は低いため、不動産投資の大きな落ち込みを阻止することが、当局が来年の経済成長率の安定を図る上で鍵となる」と指摘した。

※情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、スペインは「国際法順守」 ホルムズ海峡巡る

ワールド

欧州各国とカナダの防衛費、25年に20%増=NAT

ワールド

イスラエル、革命防衛隊のタングシリ海軍司令官を殺害

ワールド

マレーシア首相、イラン・エジプト首脳らと会談 ホル
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 4
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 5
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    トランプが誤算? イラン攻撃延期の舞台裏、湾岸諸国…
  • 8
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 9
    100年の時を経て「週40時間労働」が再び労働運動の争…
  • 10
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中