ニュース速報

ワールド

仏大統領のEU改革案、一部は実現不可能=独財務相

2018年04月16日(月)13時34分

 4月14日、ドイツのショルツ財務相(写真)は、フランスのマクロン大統領が提唱した欧州連合(EU)の改革案について、来年の欧州各国の選挙前に対応する必要があるが、一部の提案は実現不可能だとの認識を示した。写真はドイツのメセベルクで10日撮影(2018年 ロイター/Fabrizio Bensch)

[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツのショルツ財務相は、フランスのマクロン大統領が提唱した欧州連合(EU)の改革案について、来年の欧州各国の選挙前に対応する必要があるが、一部の提案は実現不可能だとの認識を示した。

今後数カ月フランスと緊密に連携し、どの改革を進めるかを検討するとしている。フランクフルター・アルゲマイネ紙(日曜版)が伝えた。

フランス政府は、ユーロ圏の銀行・資本市場規制について、難しい決断を先送りしないようドイツなどに要求。欧州委員会のエッティンガー委員も、同紙とのインタビューで、ドイツがマクロン大統領の改革の足を引っ張っていると批判し、6月のEU首脳会議で第1弾の決断を下すべきだとの認識を示した。

ショルツ財務相は、改革案への対応が必要だとした上で「個々の加盟国の実行能力に過度な負担をかけずに何ができるかを検討する」と発言。

英国のEU離脱に伴い、ドイツが拠出金を増やす必要があるのは明白だが、ドイツのみで負担を引き受けることはないとの認識も示した。

マクロン大統領の改革案については、欧州安定メカニズム(ESM)を、議会による管理を維持しつつ、通貨同盟に拡大することを望むと発言。

銀行同盟については、一部の国で不良債権が多いなど「難題」があるとの認識を示した。

EU共通予算やEU財務相の創設については「われわれに必要な欧州のプロジェクトに弾みをつけるアイデアだ。ただ、マクロン大統領は、自身のアイデアがすべて実現できるわけではないことも知っているだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米サウジ投資イベント、シェブロンやファイザーのCE

ビジネス

仏、企業から92億ユーロの新規投資を獲得

ワールド

メンフィスへの州兵派遣を一時差し止め、テネシー州裁

ワールド

インドネシア火力発電の廃止計画に暗雲 先進国からの
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 7
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中