ニュース速報

ワールド

「トランプ氏からロシア接触指示」、フリン氏が証言意向=報道

2017年12月02日(土)05時52分

 12月1日、ロシア疑惑を巡って、米国のフリン前大統領補佐官がFBIに虚偽の供述をしたとして訴追された。写真はワシントンの裁判所に到着する同氏。1日撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米大統領とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑で米連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をしたとして訴追されたフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は1日、虚偽供述を認めた。

検察当局が明らかにした。検察当局はフリン氏が当時の駐米ロシア大使と接触する前にトランプ大統領の政権移行チームの意見を求めたとしている。

フリン氏は2016年の米大統領選挙にロシアが介入したとされる疑惑の中心人物の1人。ワシントンの裁判所に出廷し、トランプ大統領の今年1月の就任前に当時のロシアの駐米大使だったルセゲイ・キスリャク氏との接触についてFBIに虚偽の供述を行ったことを認めた。

モラー特別検察官が進める「ロシアゲート」を巡る捜査で罪を認めるのはフリン氏が初めて。同氏は最大で禁固5年の刑を受ける可能性がある。

ABCニュースはこの件に関し、フリン氏はトランプ氏自身が大統領に就任する前にロシア側と接触するよう指示したと証言する意向を持っていると報じた。ABCの報道を受け、米株価と米ドルは急落。米債券利回りも低下した。

トランプ氏はロシアとの癒着を巡る疑惑を否定しており、ロシアも米大統領選挙でトランプ氏が有利になるよう介入したとの疑惑を否定。フリン氏がモラー特別検察官が進める捜査に協力することを決めたことは、同疑惑を巡る捜査の大きな山場となる。

ホワイトハウスはフリン氏による虚偽供述の認知は同氏のみに関するものとする声明を発表している。

ABCニュースの報道の通りにフリン氏がトランプ氏の指示に従ってロシア側と接触したと証言した場合、それ自体は必ずしも罪にはならない公算が大きいが、トランプ氏がフリン氏にFBIに虚偽の供述を行うように指示したと証明されれば罪となる可能性がある。ただ法曹関係者の間では現役の大統領を起訴できるかどうか意見が分かれており、罪に問われた大統領に対する措置は議会による弾劾以外にないとの見方が大勢となっている。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総

ワールド

トランプ氏、マムダニ次期NY市長と初会談 「多くの

ビジネス

米国株式市場=大幅高、12月利下げ観測で テック株

ワールド

ウ大統領、和平案巡り「困難な選択」 トランプ氏27
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中