Kentaro Sugiyama
[東京 16日 ロイター] - 内閣府が16日発表した2025年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期比0.1%増と、2四半期ぶりのプラス成長となったが、個人消費の弱さも目立った。年率換算では0.2%増だった。
ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前期比プラス0.4%、年率プラス1.6%で、結果は予想を下回った。
GDPの過半を占める個人消費は前期比0.1%増と、7四半期連続プラスとなった。携帯電話や家電などが増加に寄与した。一方、物価高の影響で節約志向が根強く、食料品などの非耐久財やアパレル関連など半耐久財の消費が弱かった。
個人消費とともに内需の柱となる企業の設備投資は同0.2%増と、2四半期ぶりプラス。 半導体製造装置への支出が増加したほか、研究開発サービスや受託ソフトウエアへの投資も堅調だった。
民間住宅投資は同4.8%増で2四半期ぶりプラス。7─9月期は建築基準法・建築物省エネ法改正前の駆け込み需要の反動で大幅に減少したが、その影響が一巡して高い伸びとなった。
公共投資は1.3%減で2四半期連続マイナスだった。
輸出は同0.3%減。中国経済の減速や現地企業との競争激化で中国向けが弱かった。自動車の輸出は改善しているものの、依然マイナスに影響。研究開発サービスの輸出もマイナスだった。インバウンド(外国人観光客)需要も中国からの訪日客が減少したことがマイナスに影響したとみられる。
内需寄与度はプラス0.04%ポイント、外需寄与度はプラス0.02%ポイントと、ともに2四半期ぶりプラスとなった。
国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーター(原系列)は前年同期比3.4%上昇。上昇幅は7─9月期の3.5%から小幅に縮小した。
雇用者報酬(実質)は前年同期比プラス0.5%と、7─9月期のプラス0.2%から拡大した。
2025年暦年の実質GDP成長率は前年比1.1%増。2年ぶりのプラス成長だった。住宅がマイナスに影響した一方、個人消費や設備投資などがプラスに寄与した。
城内実経済財政担当相は同日公表した談話で「景気は緩やかな回復が続いている。先行きも、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される」と指摘。その上で「今後の物価動向や米国の通商政策を巡る動向などの景気を下押しするリスクに留意する必要がある」とした。
みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹チーフ日本経済エコノミストは、26年1─3月期もプラス成長が続くと予想。インフレ率が鈍化する中で実質賃金がプラス転化し、個人消費が強さを増してくるとみている。今回のGDPの結果を踏まえると、日銀の利上げ判断は「そこまで急がなくてもいいのではないか」と指摘。足元で円安が若干落ち着き、政策効果も相まってインフレ率が抑制される中、利上げは年半ばになるとの見方を示した。