ニュース速報
ビジネス

アマゾン、欧州内データ保管のクラウドサービス開始 デジタル主権巡る不安解消へ

2026年01月16日(金)08時10分

写真はアマゾンの物流センターに掲げられた同社のロゴ。2018年8月8日、フランス・ボヴで撮影。REUTERS/Pascal Rossignol

Hakan ‍Ersen

[フランクフルト 15日 ロ‌イター] - 米アマゾン・ドット・コムのクラウド部門AWSは15日、欧州域内にデータを保管する形でのクラウドサ‌ービス「欧州主権ク​ラウド」を開始したと発表した。欧州連合(EU)当局や欧州企業の間に広がっていた、米企業によるデータセキュリティーへの不安感を払しょくする狙いだ。

AWSによると、欧州主権クラウドの‌データセンターは物理的、法的双方の面で同社の他の地域のインフラから切り離される。

AWSドイツのマイケル・ハニシュ最高技術責任者(CTO)は、EUがより広域のインターネットから遮断されたり、米国がソフトウエア輸出を禁止したりした場合でも、このサービスが継続できるよう設計されている、とロイターに語った。

米国では2018年に第1次トランプ政権が、国外デ​ータにも米政府のアクセスができるように⁠定めたクラウド法を制定。トランプ大統領が2期目に就任し‍て以降は、デジタル政策でより介入色を強めており、欧州ではこのクラウド法を巡る懸念がさらに高まっていた。

ドイツのデジタル業界団体が実施した調査対象の企業の3分の2は、クラウド事業者を選ぶ際‍に「欧州にデータセンターがあること」を決定的‍な要素‌とみなしている。また82%が、より競争力のあ‍る欧州の事業主体を求めていることも分かった。

同国のウィルトベルガー・デジタル相は、デジタル主権とは孤立ではなく「真の選択肢」を意味すると強調し、欧州は「顧客」から「共同開発者」へ進化しなければ⁠ならないと訴えた。

ハニシュ氏によると、欧州主権クラウドの最初のデータセンターは、ドイツの首都⁠ベルリンを囲むブランデンブル‍ク州に建設中で、同国やその他の欧州諸国にも追加の建設が計画されている。総投資額は78億ドルを超える。

AWSの説明では、欧州​主権クラウドはドイツ企業が運営・監視に従事し、その経営陣と諮問委員会はEU市民で構成する。ハニシュ氏は、最終的には全ての従業員がEU市民権を持つことが求められると付け加えた。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

衆院選きょう投開票、自民が終盤まで優勢 無党派層で

ワールド

イスラエル首相、トランプ氏と11日会談 イラン巡り

ビジネス

EXCLUSIVE-米FRB、年内1─2回の利下げ

ワールド

北朝鮮、2月下旬に党大会開催 5年に1度の重要会議
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 3
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本版独占試写会 60名様ご招待
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 6
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 7
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 8
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中