ニュース速報
ビジネス

主要行の決算に注目、政府閉鎖でデータ不足の中=今週の米株式市場

2025年10月12日(日)15時47分

 13日から始まる週の米株市場では、連邦政府機関の閉鎖により新たなデータが不足する中、米経済の健全性を判断するため、主要銀行の四半期決算に注目が集まるだろう。写真はニューヨーク証券取引所。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 13日から始まる週の米株市場では、連邦政府機関の閉鎖により新たなデータが不足する中、米経済の健全性を判断するため、主要銀行の四半期決算に注目が集まるだろう。

米株市場は10日、中国との貿易摩擦激化につながるトランプ大統領の発言を受けて売り込まれ、主要3指数は急落して終了した。

マニュライフ・ジョン・ハンコック・インベストメンツの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は「市場は買われすぎており、ある程度の乱高下が予想される」とし、「結局のところ、経済や企業利益が重要になってくる。決算シーズンが目前に迫っている」と語った。

米株式市場のバリュエーションは過去5年間で最も高い水準にあり、テクノロジーや人工知能(AI)に対する投資家の期待が高すぎるという懸念もある中、市場が勢いを維持するには第3・四半期決算が好調な内容になることが非常に重要だ。S&P総合500種は10日の急落にもかかわらず、年初来で11%以上上昇しており、史上最高値まで約3%の水準にとどまる。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズのポートフォリオストラテジスト、ギャレット・メルソン氏は「市場は上昇を続けている。その基盤となっているのは、より強固な業績見通しだ。ファンダメンタルズを見る限り、状況は引き続き好調に見える」と話した。

14日にはJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、15日にはバンク・オブ・アメリカ(BofA)、モルガン・スタンレーが決算を発表する。

最近の弱い労働市場データを受けて経済成長への懸念が高まる中、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを再開した。

BCAリサーチの米国株式チーフストラテジスト、アイリーン・タンケル氏は「銀行は米経済を映す窓だ。消費者が支出を続けていることやローン需要の改善が確認できれば、おそらく景気後退には向かっていないと考えられるだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注

ワールド

ゼレンスキー氏、米特使らと電話会談 「誠実に協力し

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中