ベトナム、5月の対米貿易黒字が急増 関税交渉に影響も

ベトナム政府のデータによると、5月の対米貿易黒字は122億ドルに急増し、前年同月比で約42%、前月比で17%増加した。写真は、停泊中の貨物船。4月16日、ベトナム、ハイフォン港で撮影(2025年 ロイター/Athit Perawongmetha)
Francesco Guarascio Khanh Vu Phuong Nguyen
[ハノイ 6日 ロイター] - ベトナム政府のデータによると、5月の対米貿易黒字は122億ドルに急増し、前年同月比で約42%、前月比で17%増加した。対米輸出も前年比約42%増の138億ドルとなり、コロナ禍後の最高に達した。
米貿易統計でも、ベトナムの黒字は4月にメキシコを抜き、中国、欧州連合(EU)に次ぐ規模となったことが示された。
トランプ米大統領は米国の貿易赤字を削減すると宣言している。ベトナムは、7月上旬に関税の一時停止措置が終了する前に合意できない場合には、46%の相互関税に直面することになる。こうした中、対米貿易黒字が急増したことで、通商交渉がより困難になる可能性がある。
ベトナムは対米黒字の削減に取り組んでいるが、輸出業者が関税が発効する前に米国に商品を届けようと急ぎ、黒字は拡大し続けている。
また、5月のベトナムの中国からの輸入は前年比21%増の162億ドルと、コロナ禍後の記録を更新した。米政府は中国が米関税を回避するためベトナムを迂回輸出拠点として利用していると非難している。