ニュース速報
ビジネス

モルガンS、第1四半期利益が予想上回る 投資銀行業務が回復

2024年04月17日(水)09時01分

米金融大手モルガン・スタンレーが16日に発表した第1・四半期決算は利益が予想を上回った。投資銀行業務の回復と資産管理業務の伸びが寄与した。2017年4月撮影(2024年 ロイター/Shannon Stapleton)

Tatiana Bautzer Manya Saini

[16日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーが16日に発表した第1・四半期決算は利益が予想を上回った。投資銀行業務の回復と資産管理業務の伸びが寄与した。これを受け株価は2.5%上昇した。

投資銀行部門の収入は前年同期比16%増加。債券発行の増加を背景に債券引き受けが2四半期連続で好調だった。ウェルスマネジメント部門も顧客資産の急増の恩恵を受けた。

オッペンハイマーのアナリスト、クリス・コトウスキー氏はメモで「全体的に素晴らしい四半期だった」と評価。前日に決算を発表したゴールドマン・サックスと同様にほぼ完璧な内容だったとした。

第1・四半期の1株利益は2.02ドルと、アナリストの平均予想(1.66ドル)を上回った。総収入は前年同期の145億ドルから151億4000万ドルに増加した。

ただ、投資銀行部門の収入の伸びは競合他社を下回った。シャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は、これは規制当局の承認を必要とするM&A(企業の合併・買収)に関するアドバイザリー収入に起因すると指摘。一方で、急騰する株式市場と注目を集める新規株式公開(IPO)が投資銀行業務の活発化につながる可能性があるとした。

また、テッド・ピック最高経営責任者(CEO)は、顧客全体にわたりM&Aと引き受け業務の双方において「投資銀行業務の勢いが高まっている」と述べた。

地政学リスクが案件を支援する可能性に言及し、2つの大きな紛争がサプライチェーン(供給網)に混乱をもたらしていることなどから、一部の企業は国際的な事業拠点のシフトが必要になると指摘。

「米経済成長が続く一方、中国のほか欧州の一部で景気が減速していることは、人々が米国へのエクスポージャーをさらに拡大したがっていることを示す」と語った。

投資銀行業務や株式・債券関連業務を担う機関投資家向け証券部門の総収入は、前年同期の68億ドルから70億ドルに増加。債券トレーディング収入は4%減少したが、株式トレーディング収入は4%増加した。

ウェルスマネジメント部門の収入は前年同期の66億ドルから69億ドルに増加。資産純流入額は950億ドルで、約半分がファミリーオフィスからだった。

ウェルスマネジメント部門は見込み客の身元や資金源、金融活動について十分に審査したかを巡り、複数の米規制当局による調査を受けていると報じられている。

ピックCEOは調査に間接的に言及し、顧客の審査は「新しい問題ではない」と指摘。「われわれはかなりの期間、顧客の審査と監視プロセスに注力してきた。他の大手銀行と同様に規制当局と継続的なコミュニケーションを取っている」と述べた。

イェシャヤCFOは、当局の調査がウェルスマネジメント業務の戦略的な変更につながることはないとした。

投資管理部門の収入は前年同期の13億ドルから14億ドルに増加した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ベトナム第2四半期GDPは前年比+7.96%、輸出

ビジネス

英企業、米国への投資意欲後退 自国評価は上向く=調

ビジネス

マクロスコープ:企業の中期計画公表、延期急増 トラ

ワールド

中国、農村労働者の再教育計画を発表 雇用支援へ=C
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 3
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗」...意図的? 現場写真が「賢い」と話題に
  • 4
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    コンプレックスだった「鼻」の整形手術を受けた女性…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    「シベリアのイエス」に懲役12年の刑...辺境地帯で集…
  • 9
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 10
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中