ニュース速報

ビジネス

日産、欧州の新型車は全てEVに 内田CEO「中国勢の動き速い」

2023年09月26日(火)12時39分

日産自動車は25日、欧州で投入する新型車は今後全て電気自動車(EV)とし、2030年までに欧州での販売をEVのみとする方針だと発表した。4月撮影(2023年 ロイター/David 'Dee' Delgado)

Nick Carey

[ロンドン 25日 ロイター] - 日産自動車は25日、欧州で投入する新型車は今後全て電気自動車(EV)とし、2030年までに欧州での販売をEVのみとする方針だと発表した。

日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「もう後戻りはできない」とした上で、「日産は30年までに欧州で完全に電気自動車に切り替える。それが私たちのビジネス、お客様、そして地球にとって正しいことだと確信している」と表明した。

欧州向けにすでに決定している2つのEV新型車の1つは、英北部サンダーランド工場で生産されるとした。

各自動車メーカーは、英国の欧州連合(EU)とのブレグジット協定で合意された「原産地規則」に従わなかった場合、早ければ来年1月にもEUと英国間で取引されるEVに10%の関税がかかる可能性があるとして不満を表明している。

しかし、日産のAMIEO(アフリカ・中東・インド・欧州・オセアニア)マネジメントコミッティー議長であるギョーム・カルティエ氏は、サンダーランドで生産される車はこれらの規則を満たすと記者団に語った。

日産は今年、EV車種の目標を引き上げ、30年までに19のEV新型車を投入すると発表。テスラなどの新興企業が強い部門での巻き返しを図っている。

コンセプトEVを発表した後、内田CEOはロンドンで記者団に対し、これらのEVのうち最初の新型車がいつ発売されるかについては明言を避けた。

日産はまた、26年度(27年3月31日終了)までに欧州での販売の98%を電動化、つまり完全なEVか、大型バッテリーと内燃機関の両方を搭載したハイブリッド車にすると発表していた。

30年までに欧州で完全にEVとするという今回の新たな目標により、日産は連合を組む仏自動車大手ルノーと歩調を合わせる。

内田氏は中国自動車メーカーとの低価格競争の中で、電動化に多額の投資を行いながら、自社のコストを押し下げる努力をしていると語った。

「多くの競争が起こっている。中国(の自動車メーカー)が大規模に参入してきている」とした上で、「中国勢はわれわれの予想よりもずっとずっと速く動いている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米陸軍、ドローン100万機購入へ ウクライナ戦闘踏

ビジネス

米消費者の1年先インフレ期待低下、雇用に懸念も=N

ワールド

ロシア、アフリカから1400人超の戦闘員投入 ウク

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、11月速報値は約3年半ぶ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 9
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 10
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中