ニュース速報

ビジネス

米テスラ、カークホーンCFOが退任 後継者計画に懸念も

2023年08月08日(火)07時56分

米電気自動車(EV)大手テスラは7日、ザッカリー・カークホーン最高財務責任者(CFO)が退任し、最高会計責任者(CAO)のバイブハブ・タネジャ氏(45)がCFOを兼務すると発表した。(2023年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[7日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラは7日、ザッカリー・カークホーン最高財務責任者(CFO)が退任したと発表した。同氏をイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の後継候補とみていたアナリストにはサプライズとなった。

後任には、最高会計責任者(CAO)のバイブハブ・タネジャ氏(45)が兼務で就任する。

テスラはカークホーン氏の退任理由を明らかにしていない。同氏はテスラに13年超にわたって在籍し、4年間CFOを務めた。円滑な移行を支援するため、年末までテスラにとどまる。

物腰の柔らかいカークホーン氏は、より気性の荒いマスク氏とのバランスを保つ上で効果的とみられていたほか、アナリストとの会見や製品・戦略に関するプレゼンテーションで頻繁に発言し、最も目立つ幹部の1人だった。同氏の退任を受け、テスラの後継者計画に懸念も浮上している。

グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は、カークホーン氏について「マスク氏と他の幹部との間の効果的な調整役だった。これはまれな能力で、非常に価値があるが、数値化するのは難しい」と語った。

カークホーン氏の在任中、テスラは大衆市場向け小型セダン「モデル3」の発売後初めて四半期損益が黒字化し、テスラの時価総額は1兆ドルを超えた。

カークホーン氏はビジネス向け交流サイト(SNS)リンクトインに「この会社の一員となってきたことは特別な経験で、13年超前に入社して以来、共に成し遂げてきた仕事を非常に誇りにしている」と投稿した。

テスラ株は7日の取引で、一時4%超下落した。

タネジャ氏は、テスラが太陽光発電事業を展開する米ソーラーシティを買収後の2016年に入社した。

テキサス州オースティンに拠点を置くテスラはEV価格を今年値下げした。販売台数の増加と市場シェアを優先し、業界トップクラスの利益率が圧迫されている。

マスク氏が「激動の時代」と呼ぶ金利上昇が売り上げに打撃を与える中でも、テスラは一段の値下げを示唆している。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補

ワールド

尹前大統領の妻、金品見返りに国政介入 韓国特別検が
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中