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来年は間違いなく円高、1ドル110円を切る可能性も=ニトリ会長 

2022年12月23日(金)19時26分

[東京 23日 ロイター] - ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は23日の決算会見で、来年のドル円相場について「間違いなく円高になる」とし、110円を切るかもしれないと語った。

米国景気が予想以上に悪化し、世界的な景気後退が見込まれるためで「(ドルは)110円ぐらい、少なくとも120円」との見通しも示した。

同日発表した2022年3―11月期(2月21日―11月20日)の連結売上高は前年同期比4.2%増の6317億円、営業利益は、同12.0%減の950億円、経常利益は同11.7%減の975億円だった。円安の進行や原油高による物流費増で輸入コストが膨らみ、利益を押し下げた。

為替の円安の影響で経常利益は前年同期から184億円減少した。今期は9月まで1ドル=114円90銭で為替予約していたが、10月以降は147円80銭で予約契約を締結。通年では132円半ばになったもよう。同社は、対ドルで1円円安に動くと20億円の減益要因になる。

似鳥会長は、足元のドル円レートは1ドル=132円程度で推移していることを踏まえ、147円で為替予約したことについて「もっと我慢していればよかったが、結果的に失敗した」といい、来年の為替予約はさらなる円高を待ってから「今度は2-3年長期的に予約したい」と語った。

一方、武田政則取締役は、為替の円高に伴って来期以降一部商品の値下げを検討することも明らかにした。

<物流拠点を再構築>

3─11月期は物流費の増加が経常利益を118億円押し下げた。武田取締役によると、米国からのコンテナ価格は引き続き高い状況が続いているという。物流拠点の再構築の一環で、神戸物流センターを23年3月より稼働。名古屋や埼玉県・幸手でも物流センターの建設を進めている。

出店を加速する中国大陸では、新型コロナウイルス感染の再拡大で「町にはほとんど人がいない状況で営業している」(武田取締役)が、テナントの空きが増えており、積極展開の好機とみる。

通期の会社予想は営業利益1506億円を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト13人の平均値は1287億円だった。第3・四半期までの進捗率は63%にとどまるが、足元12月(11月21―12月20日)の既存店売上高は102.7%で、その後は2桁の伸びを示しているとして、白井俊之社長は、目標達成に向けて「まだ可能性がある」という。

23年度のベースアップについて、白井社長は昇給を含めて「最低でも4%のベースアップを確保したい」とも語った。

ニトリは、決算期末を2月20日から3月31日に変更したため、今期は、2月21日から23年3月31日までの13カ月11日の変則決算となっている。

(浦中美穂)

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