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中国の気候目標で鉄鋼原料需要減、品質は向上へ=業界団体など

2021年11月15日(月)11時16分

世界最大の鉄鋼生産国である中国は気候変動対策の目標達成に向け、鉄鉱石や原料炭といった鉄鋼原料の需要は減少するものの、品質は向上するとの見通しを示した。政府系機関と業界団体が12日に発表した。写真は2018年8月、重慶市の製鉄所で撮影(2021年 ロイター/Damir Sagolj/File Photo)

[12日 ロイター] - 世界最大の鉄鋼生産国である中国は気候変動対策の目標達成に向け、鉄鉱石や原料炭といった鉄鋼原料の需要は減少するものの、品質は向上するとの見通しを示した。政府系機関と業界団体が12日に発表した。

中国政府は、2030年までに二酸化炭素の排出量をピークアウトさせ、60年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を達成することを目標としている。国全体の温室効果ガス排出量の約15%を占める鉄鋼部門には厳しい課題となっている。

冶金工業計画研究院の李新創・党委書記は、この気候変動対策目標が鉄鉱石の需要減につながると指摘。オンラインの業界会議で「われわれの輸入鉄鉱石への依存度は2021年1─9月に80%超から75.7%に低下した」と述べた。

一方で、環境規制の強化、低炭素化の要求などにより、高品位の鉄鉱石の需要は徐々に増加すると予想した。

中国コークス業界協会の崔丕江会長は、原料炭の消費量も中長期的には減少すると指摘。原料炭の供給は「比較的安定」すると付け加えた。

同会長は、協会は業界関係者との会合を開き、炭素排出量を調べ、気候目標を達成するためのアジェンダを議論する予定だと述べた。

一方、鉄鉱石の代替原料でありながら、炭素の排出量がはるかに少なく、クリーンである鉄スクラップの供給は、今後数年間で増加すると予想される。

鉄スクラップ協会の李樹斌氏は、中国における鉄スクラップの利用率は現在の22%から2025年までには30%に上昇すると述べた。

ロイター
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