ニュース速報

ビジネス

米物価、予想超えて上昇も 「新たなリスク」に直面=セントルイス連銀総裁

2021年06月25日(金)03時49分

6月24日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米景気回復が今秋にも加速し、世界経済もこれに続くと予想される中、米国のインフレ率は連邦準備理事会(FRB)当局者の現時点での予想を超えて上昇する可能性があるとの見方を示した。写真は2018年10月、シンガポールで講演するブラード総裁(2021年 ロイター/Edgar Su)

[ワシントン 24日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は24日、米景気回復が今秋にも加速し、世界経済もこれに続くと予想される中、米国のインフレ率は連邦準備理事会(FRB)当局者の現時点での予想を超えて上昇する可能性があるとの見方を示した。

ブラード総裁は、セントルイス近郊のクレイトンの商工会議所向けの講演原稿で「経済活動の再開が進むにつれ、インフレ率は一段と上振れし、これまでの目標の未達分を補完してもなお余りある水準に上昇する可能性がある」とし、そうなれば、FRBが考慮しなくてはならない「新たなリスク」として台頭するとの見方を示した。

その上で、経済成長とインフレ率が予想を上回るという「大幅な」サプライズはすでに見られていると指摘。秋に学校の対面授業が再開され、他の国でも経済活動の再開が進むにつれ、インフレ率が予想を超えて上昇する「具体的なリスク」が存在しているとし、「政策担当者は今後、こうした新たなリスクを考慮する必要がある」と述べた。

ブラード総裁は18日、FRBが金融政策の引き締めを早める方向にシフトしたことについて、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、経済成長、特にインフレ率が予想よりも伸びていることに対する「自然な」対応であるという認識を表明。来年の利上げ開始を見込むFRB当局者の一人だったとした上で、インフレ抑制に向け利上げを「2022年終盤に開始すべき」と主張した。

この日の講演では、物価上昇を巡り一段と大きな衝撃を懸念していることが示された。

また、物価上昇の要因となっている供給面でのボトルネックは「かなり長期間」続く可能性があるとし、インフレ高進が持続するリスクがあると強調。「米国だけが再開するわけではなく、欧州や新興国も控えている」とした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米9月PPI、前年比2.7%上昇 エネルギー商品高

ビジネス

米9月小売売上高0.2%増、予想下回る EV駆け込

ワールド

欧州司法裁、同性婚の域内承認命じる ポーランドを批

ワールド

存立危機事態巡る高市首相発言、従来の政府見解維持=
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中