ニュース速報

ビジネス

ドル下落、失業保険申請増で国債利回り低下=NY外為

2021年04月09日(金)06時11分

ニューヨーク外為市場では、週間新規失業保険申請件数の予想外の増加を受けた米国債利回りの低下を受け、ドル指数が約2週間ぶり低水準となった。写真は2018年2月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、週間新規失業保険申請件数の予想外の増加を受けた米国債利回りの低下を受け、ドル指数が約2週間ぶり低水準となる中、円が対ドルで約2週間ぶりの高値を付けた。

労働省が朝方発表した4月3日までの1週間の新規失業保険申請件数は74万4000件と、前週の72万8000件から悪化し、予想の68万件も上回った。労働市場の改善を過小評価している可能性があるとの見方も出ているが、ドル相場に影響が及んだ。

主要6通貨に対するドル指数は0.35%安の92.091と、3月23日以来の低水準を付けた。

連邦準備理事会(FRB)が前日に公表した3月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、政策担当者が新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお「極めて不確実」という認識で一致したことが判明。

ウエスタン・ユニオン・ビジネスソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「労働市場が望ましくない方向に向かっていることで、FRB議事要旨の内容が改めて確認された」とし、「FRBのハト派的なスタンスが裏付けられたことで、米国債利回りとドル相場は抑制され続ける」との見方を示した。

FRBのパウエル議長はこの日、国際通貨基金(IMF)のバーチャルセミナー参加し、「価格への上昇圧力が物価上昇という形で消費者に転嫁される可能性はあるが、一時的となるだろう」と述べ、景気支援策の引き揚げは程遠いことを示唆した。

米10年債利回りはオーバーナイトの取引で1.63%を下回る水準に低下した後、1.632%近辺で推移。国債利回り低下でドルの魅力が薄れたことで、円が対ドルで約2週間ぶりの高値を付けた。

失業保険申請件数の増加がドルの重しになったことで、カナダドルが対米ドルで上昇。1週間ぶりの安値から回復した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラ、従業員の解雇費用に3億5000万ドル超計

ワールド

中国の産業スパイ活動に警戒すべき、独情報機関が国内

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中