ニュース速報

ビジネス

米PNC、BBVAの米銀行部門を116億ドルで買収

2020年11月16日(月)16時54分

 11月15日、米金融大手PNCファイナンシャル・サービシズ・グループは、スペインの銀行大手BBVAの米国部門を現金100億ドル以上で買収する方向で交渉を進めている。写真はノースカロライナ州で2012年4月撮影(2020年 ロイター/Chris Keane)

[15日 ロイター] - 米金融大手PNCファイナンシャル・サービシズ・グループは、スペインの銀行大手BBVAの米国事業を●現金116億ドルで買収することを明らかにした。

米銀行業界では2008年の金融危機以降で2番目の大型買収となり、業界の統合が一段と進むことになる。買収で誕生する新銀行は総資産が5600億ドル近くに達し、24州で事業を展開することになる。

関係筋によると、PNCとBBVAは過去数週間、協議を進めてきた。次期大統領に民主党のバイデン前副大統領が就任し、共和党が上院で多数派を維持すれば、規制環境は変わらないと判断した。

●PNCによると、両行の取締役会はすでに買収を承認している。買収により、2022年の利益が約21%押し上げられる見通し。

PNCは約半年前に米資産運用大手ブラックロックの株式22.4%を142億ドルで売却。税引き後の売却益43億ドルを今回の買収に充てる。

BBVAは2007年に米地銀コンパス・バンクシェアーズを96億ドルで買収し、米国部門としたが、関係筋によると、業績の低迷が株価の重しとなっていることを受けて、米国事業の売却を決めた。株価は年初から36%値下がりしている。●ブローカー部門など一部の米国事業は維持する。

●買収は2021年半ばに完了する予定。

米国では、金融危機後に総資産500億ドルを超える大手行に対する規制が強化され、合併・買収(M&A)活動が低迷していたが、トランプ政権が法人税減税や規制緩和を進めたこと受けて、銀行の資金余力が高まり、地銀の合併が認められるケースが増え始めた。

金融危機後では、地銀BB&Tによる同業サントラスト・バンクスの買収(280億ドル規模)が、米銀行業界で最大の合併となっている。

PNCは株式時価総額520億ドル。米国の中部大西洋岸、中西部、南東部を中心に事業を展開しているが、買収が実現すれば、テキサス州で事業を拡大できるほか、アリゾナ州、ニューメキシコ州など他の南部地域にも進出することになる。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハマスが停戦違反と非難、ネタニヤフ首相 報復表明

ビジネス

ナイキ株5%高、アップルCEOが約300万ドル相当

ワールド

ゼレンスキー氏、和平案巡りトランプ氏との会談求める

ワールド

タイ・カンボジア両軍、停戦へ向け協議開始 27日に
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 6
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 7
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    【投資信託】オルカンだけでいいの? 2025年の人気ラ…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中