ニュース速報

ビジネス

米7月消費者物価は前月比+0.6%、コア指数は29年ぶりの高い伸び

2020年08月13日(木)01時12分

 12日、米労働省が発表した7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.6%上昇と、市場予想(0.3%上昇)を上回る伸びとなった。写真はフロリダ州で2018年10月撮影(2020年 ロイター/Jonathan Bachman)

[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.6%上昇と、市場予想(0.3%上昇)を上回る伸びとなった。財やサービスの価格が上昇し、基調的なインフレ率の伸びは29年半ぶりの大きさとなった。

6月は前月比0.6%上昇していた。

7月の前年比は1.0%上昇。前月は0.6%上昇、市場予想は0.8%上昇だった。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比で0.6%上昇。伸びは1991年1月以降で最大だった。6月は0.2%上昇していた。

コア指数の前年比は1.6%上昇。6月は1.2%上昇していた。

米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は6月に前年比0.9%上昇した。7月のコアPCE価格指数は今月発表される。

7月はガソリン価格が5.6%上昇。6月は12.3%上昇していた。食品価格は0.4%下落。食品価格が下落するのは2019年4月以降で初めて。6月は0.6%上昇だった。

家庭で消費される食品の価格は1.1%下落。ここ数カ月で上昇していた牛肉価格は8.2%下落した。乳製品、ノンアルコール飲料、穀物の価格も下落した。ただ、家庭以外で消費される食品の価格は0.5%上昇。フルサービスでの食事の価格は0.4%上昇した。

家賃は0.2%上昇。6月は0.1%上昇と13年7月以降で最小の伸びだった。

医療費は0.4%上昇。6月の伸びと一致した。通院費が0.7%上昇したほか、病院業務の価格が0.2%上昇した。処方薬の価格は0.2%下落した。

キャピタル・エコノミクス(トロント)の米国担当チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は「コロナ禍に伴う需要の落ち込みがデフレスパイラルを招くといった懸念は払拭されそうだが、だからといって供給の制限に伴いインフレが大幅に高進する兆候も見当たらない」と述べた。

またING(ニューヨーク)の国際担当チーフエコノミスト、ジェームズ・ナイトレー氏は、依然として3000万人を超える人々が失業給付を受けていることから「賃金圧力は引き続き抑制され、サービス部門のインフレは抑えられるだろう」とした。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中