ニュース速報

ビジネス

日本製鉄、今期事業損益は1200億円の赤字 需要改善で下期黒字へ

2020年08月04日(火)17時34分

8月4日、日本製鉄 は、2021年3月期(国際会計基準)の連結事業損益が1200億円の赤字になると発表した。写真は日本製鉄のロゴ。都内で2019年3月撮影(2020年 ロイター/Yuka Obayashi)

[東京 4日 ロイター] - 日本製鉄 <5401.T>は4日、2021年3月期(国際会計基準)の連結事業損益が1200億円の赤字(前期は2844億円の赤字)になると発表した。主力の製鉄事業で1300億円の赤字見通しとなっている。ただ、需要が急減した上期の1500億円の赤字に対し、自動車など製造業の需要が改善することを受け、下期は300億円の黒字を見込んでいる。

5月時点では、通期見通しの公表を見送っていた。

宮本勝弘副社長は決算会見で、事業損益が赤字となることについて「量が落ちたことが非常に大きい」と述べた。通期の単独粗鋼生産は3180万トンを計画しており、前年の4185万トンから大幅に落ち込む。上期は1490万トンで稼働率は60―70%にとどまる。下期は稼働率80%で、1690万トンを見込んでいる。

コスト改善1400億円など「相当踏み込んでやっている」ものの、製鉄事業での需要減少をカバーするには到底至っていない。

今期は、年500億円以上の変動費改善、2000億円規模の固定費圧縮を行う予定。また、18年度から20年度の3カ年の設備投資は、当初計画の1兆7000億円を5月時点で1兆5000億円に圧縮していたが、さらに1000億円圧縮し、1兆4000億円とする。資産圧縮も積み増す。

同社では、従来からの市場構造変化が、新型コロナウイルスの影響で加速化することで、コロナ後も「さらに厳しい事業環境となることを前提に必要な構造対策の前倒し・追加を検討する」とした。

上期で事業損益が1500億円の赤字、純損益が2000億円の赤字見通しとなるなど、厳しい決算が予想されることから、中間配当は見送ることを決めた。

*内容を追加しました。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏がアジア歴訪開始、タイ・カンボジア和平調

ワールド

中国で「台湾光復」記念式典、共産党幹部が統一訴え

ビジネス

注目企業の決算やFOMCなど材料目白押し=今週の米

ビジネス

米FRB、「ストレステスト」改正案承認 透明性向上
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 4
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 8
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 9
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 6
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 7
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中