ニュース速報

ビジネス

独当局、ワイヤーカードのドバイ子会社トップを逮捕 詐欺関与の疑い

2020年07月07日(火)08時20分

 ドイツの検察当局は7月6日、不正会計疑惑に揺れる決済サービス企業ワイヤーカードのドバイ子会社トップを詐欺に関与した疑いなどで逮捕したと発表した。ミュンヘンで1日撮影(2020年 ロイター/Andreas Gebert)

[ベルリン/フランクフルト 6日 ロイター] - ドイツの検察当局は6日、不正会計疑惑に揺れる決済サービス企業ワイヤーカードのドバイ子会社トップを詐欺に関与した疑いなどで逮捕したと発表した。

ミュンヘン検察当局によると、カードシステムズ・ミドルイーストの最高経営責任者(CEO)はドバイを出国後、当局に出頭。取り調べを受けた後、逮捕された。CEOの名前は明らかにされていない。容疑者が良く知られている人物でない限り、ドイツの法律下では身元を公表する必要はない。

検察当局は、逮捕容疑は詐欺共謀、詐欺未遂、その他の犯罪のほう助だと説明、逃亡や証拠改ざんの恐れがあったとした。

ワイヤーカードは6月、約40億ユーロ(45億ドル)の負債を抱えて破産を申請。信託口座にあるはずの19億ユーロが不明になっていることが判明し、会計監査を担当していたEYは、巧妙な国際的不正が行われた結果だとしていた。

これまでの報道では、ワイヤーカードが売上高と利益を上げるために行った不透明な取引の拠点の1つがカードシステムズだとされてきた。

ドイツ連邦金融監督庁(Bafin)のフーフェルト長官は2日、ワイヤーカードの不正会計疑惑は「巨大な犯罪行為」だとの認識を示した。

一方、事情に詳しい関係者によると、同社の債権者委員会は7日に初会合を開く見通し。詐欺疑惑を巡る捜査の状況や資産売却計画について話し合うとみられる。

破産管財人を務めるミヒャエル・ヤッフェ氏は資産売却を通じて債務の支払い財源の少なくとも一部を確保したい考えだという。ただ、関係者の1人は、資産売却で調達できるのは4億─5億ユーロ程度にとどまる見通しだと指摘。債務総額の約1割にしか満たない。

関係者によると、債権者会合には銀行側の代表としてオランダのINGと独地方銀バーデン・ビュルテンベルク州立銀行(LBBW)が出席し、社債保有者の代表としてサイラス・キャピタルが選任した法律事務所が参加する見通し。従業員の代表も出席する。

債権者委のメンバーからコメントは得られていない。

*情報を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア、半導体密輸対策に役立つ位置確認技術構

ビジネス

26年の最大のテールリスクはAI巡るサプライズ、ヘ

ワールド

インドネシアとの貿易協定、崩壊の危機と米高官 「約

ビジネス

米エクソン、30年までに250億ドル増益目標 50
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中