ニュース速報

ビジネス

独ルフトハンザの政府救済が前進、最大24枠放棄で条件受け入れ

2020年06月01日(月)07時54分

 ドイツ航空大手ルフトハンザの取締役会は5月30日、90億ユーロ(100億ドル)の政府救済案と引き換えに欧州委員会から求めらていた条件について、より有利な形で受け入れたと発表した。5月26日、ベルリンのシェーネフェルト空港で撮影(2020年 ロイター/Fabrizio Bensch)

[ベルリン/フランクフルト 30日 ロイター] - ドイツ航空大手ルフトハンザの取締役会は30日、90億ユーロ(100億ドル)の政府救済案と引き換えに欧州委員会から求めらていた条件について、より有利な形で受け入れたと発表した。

会社側は27日に当初案を拒否しており、今回の合意で救済への道が開けた。

ルフトハンザによると、フランクフルト空港とミュヘン空港で最大24の発着枠を手放し、各空港で競合1社ずつに譲り渡す。1機につき、1日3枠を放棄する計算になる。

「この先1年半、フランクフルトとミュンヘンの空港に新たに参入した競合会社のみがこの権利を利用できる」とルフトハンザは説明。「新規の参入会社がこの権利を利用しない場合、既存の競合相手が使えるようになる」とした。

事情に詳しい関係者によると、以前の条件にはフランクフルトとミュンヘンの空港を拠点にする300機のうち、12機が使用する72枠を放棄することなどが盛り込まれていた。

ルフトハンザによると、同社が手放す発着枠は入札によって他の航空会社に割り当てられる。新型コロナウイルスの感染拡大で需要が落ち込む中でも、政府支援を受けていない欧州の航空会社のみが対象となる。

まだ監査役の合意のほか、臨時株主総会を開いて救済案に対する株主の承認を得る必要があるという。

新型コロナで経営に打撃を受けた企業の株式を取得するため、1000億ユーロのファンドを設立したドイツ政府は、2023年末までにルフトハンザの株式を売却することを明らかにした。

経済省は「ドイツ政府、ルフトハンザ、欧州委員会は重要な中間段階まで来た」と声明を出した。その上で、公的支援をめぐる欧州員会との協議はまだ続くとした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中