ニュース速報

ビジネス

トランプ政権「5月にも経済再開の可能性」 FRB議長は慎重

2020年04月10日(金)11時31分

ムニューシン米財務長官は9日、5月にも経済活動の再開に着手する可能性があるとの見方を示した。3月撮影(2019年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米国のムニューシン財務長官と国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は9日、5月にも経済活動の再開に着手する可能性があるとの見方を示した。

ただ多くの医療専門家は新型コロナウイルスの封じ込めに向け、事業閉鎖やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)措置をより長期間維持する必要があると指摘している。

ムニューシン長官はCNBCで、トランプ大統領が5月に米経済活動を再開させる可能性があるのかとの問いに対して「そうだ」と応じ、「大統領が新型コロナに関する問題に安心感を感じれば、あらゆる必要なことをすぐにでも実施し、米国の企業と労働者が事業を再開し、その過程において事業を運営するために必要な流動性を提供していく」と述べた。

NECのカドロー委員長も、今後1─2カ月の間に状況を見ながら経済活動を順次再開させることが可能と表明。FOXビジネス・ネットワーク(訂正)に対し、「われわれの関心は困難に陥っている多くの人を安心させることだ」と述べた。

ただ、米国では新型コロナの死者が増えており、拙速な職場復帰に反対する声が出ている。

連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は9日、「経済活動の再開に向けた全国的な計画が必要だ」とした上で「誰もができる限り早期の再開を望んでいるが、その時期を誤り、部分的に業務を再開した結果、新型コロナの感染者が急増し、また振り出しに戻るという事態は避けたい」と述べた。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も9日、新型コロナ感染症による米国内の死者が従来予想を下回る6万人程度にとどまる可能性があるとの見通しを示しつつも、時期尚早な経済活動の再開をけん制した。

トランプ米大統領は8日、米国の経済活動を「ビッグバン(大爆発)」的に再開させたい意向を表明した上で、そうするには新型コロナウイルス感染による死者が減少傾向を示す必要があるとの認識を示していた。

*内容を訂正しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

お知らせ-誤って配信した記事を削除します

ワールド

11月分食料支援の全額支給を、米控訴裁が地裁判決支

ビジネス

SUBARU、米関税で4━9月期純利益44%減 2

ワールド

高市首相の台湾有事巡る発言、中国「両岸問題への干渉
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中