ニュース速報

ビジネス

米失業保険申請は増加、受給者数45年ぶり低水準に改善

2018年05月18日(金)03時45分

[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日発表した12日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万1000件増の22万2000件と、市場予想の21万5000件を上回った。ただ、失業保険受給者総数は約45年ぶりの低水準まで改善し、労働市場のスラック(需給の緩み)がなくなってきていることを示唆した。

前週の失業保険申請件数は改定なしの21万1000件。

ムーディーズ・アナリティクス(ペンシルベニア州)のエコノミスト、キャサリン・アシャー氏は「米労働市場は最近の記憶の中で最も引き締まった状況に向かっている」と述べた。

労働市場は最大雇用状態に近いか、最大雇用に達しているとみなされている。失業率は17年半ぶりの低水準に近い3.9%まで低下しており、米連邦準備理事会(FRB)が年末までに達するとの見通しを示している水準である3.8%に迫っている。

労働省によると、メーン州とコロラド州は推計値だった。また、昨年にハリケーン「イルマ」と「マリア」によってインフラ設備が被害を受けた米領プエルトリコとバージン諸島では依然としてデータ処理業務が正常に戻っていないという。

週ごとの変動をならし情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は2750件減の21万3250件と、1969年12月以来の低水準だった。

今回の失業保険申請件数は、5月の雇用統計と調査期間が重なっている。申請件数の4週移動平均は4月から5月にかけての調査期間に1万8250件減少した。5月の雇用統計で就業者数が底堅く伸びることを示唆した。4月の雇用統計では景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月から16万4000人増加していた。3月は13万5000人増だった。雇用主が適切な人材を見つけることに苦戦している傾向がみられる中、就業者の伸びが鈍化している。

8日に発表された3月の求人件数は約660万件と、統計を開始した2000年12月以来の高水準を記録した。

2週間以上手当を受けている失業保険受給者の総数は、5日までの週で8万7000件減の170万7000件と、1973年12月以来、約45年ぶりの低水準だった。4週移動平均は3万9750件減の177万3750件と、こちらも1973年12月以来の低水準だった。受給者総数が減っていることは、労働市場の引き締まりが続いていることを示し、今年下半期に賃金の伸びが加速するとのエコノミストらの見方を後押しする。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏10月銀行融資、企業向けは伸び横ばい 家計

ビジネス

成長型経済へ、26年度は物価上昇を適切に反映した予

ビジネス

次年度国債発行、30年債の優先減額求める声=財務省

ビジネス

韓国ネイバー傘下企業、国内最大の仮想通貨取引所を買
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中