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日銀マイナス金利、国民経済的な副作用の検証必要=藤原全銀協会長

2018年04月01日(日)00時19分

 4月1日、1日付で全国銀行協会の会長に就任したみずほ銀行の藤原弘治頭取(写真)は、ロイターとのインタビューで、日銀のマイナス金利政策について、今後は長期化による将来的な副作用を検証していく必要があるとの考えを示した。都内で昨年4月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - 1日付で全国銀行協会の会長に就任したみずほ銀行の藤原弘治頭取は、ロイターとのインタビューで、日銀のマイナス金利政策について、今後は長期化による将来的な副作用を検証していく必要があるとの考えを示した。

藤原会長は、マイナス金利で銀行収益の圧迫が続けば「将来的に金融仲介機能を減退させる懸念がある」と指摘。さらに「資産運用面では、年金や個人の運用などでどのような影響があるかもみないといけない」とし、国民経済的にどのような影響が出てくるのかを検証する必要があると語った。

また、銀行として日本社会の課題を解決するためには、非金融も含めた他業態との連携を進めていく必要があると語った。

主なやり取りは、以下の通り。

――日銀のマイナス金利政策をどのように評価するか。

「これまでの効用と、今後の副作用をしっかりみないといけない。2013年に量的質的緩和に入り、その後、マイナス金利導入、総括的検証を経て、イールド・カーブ・コントロールが導入された。この間、マクロ経済、景況感は回復し、金融政策の果たした役割は確かに大きい。そこは積極的に評価しないといけない」

「銀行にとって、マクロ経済が改善し、企業経営者のマインドが前向きになったことはポジティブだ。しかし、利ざやが縮小していくというネガティブな面もある。そういう意味ではモニタリングレベルを上げる時期に来ている。マクロの観点でこれがどのような影響を及ぼしているかをしっかり総括する必要がある」

――どのような点をモニタリングすべきか。

「将来的に、銀行の収益圧迫が金融仲介機能を減退させる懸念がある。さらに、企業は低コストの借り入れによる恩恵を被ってきたが、一方で資産運用面では、退職給付や企業の運用、年金や個人の運用などでどのような影響があるかもみないといけない。マイナス金利長期化の副作用について国民経済的にどのような影響が出るのかを目線を上げて見ていく時期になっている。この問題をしっかり掘り下げていく」

――預金が急増しているが、どのように対応するか。

「現在の日銀のマネタリーベース拡大方針が続く限り、日銀の当預は増え続ける。預金自体は顧客基盤の象徴的な取引であり、大切なことには変わりない。ただ、資金需要と資金供給のアンバランスを解決しなければならないという課題はある。資産運用のコンサルティングを通じて、できるだけ預金による調達を縮めていく。さらに、新たなビジネスの創出を積極的に進めることで貸出需要を掘り起こしていく。これらを通じてバランスシートの適正化を図ることが大事だ」

――銀行としての課題にどのように取り組む考えか。

「グローバルに大きな地殻変動、構造変化が起き、大きな転換期に来ている、金融を金融から発想するのではく、社会的問題に対して銀行が何ができるかを考え、銀行界の信頼感や存在感をしっかり確立させたい。世の中の銀行に対する見方をしっかり変えていきたい」

「日本社会は、少子高齢化、地方創生、人生100年時代などの課題を抱えている。高齢化では、人生の寿命と資産の寿命をマッチングさせる必要ある。貯蓄から資産形成の流れを民間としていかにコンサルティング力を発揮して根付かせるか。事業承継もそうだ。廃業している会社の半分以上は黒字だ。日本の産業全体にもマイナスの影響を及ぼしかねない。こうした社会的課題の解決にも踏み出していく」

――銀行ビジネスでは解決できない課題も多い。

「キーワードはアライアンスだ。今後、メガバンクと地域金融機関との連携や、場合によっては非金融機関と金融機関のアライアンスも出てくるかもしれない。地域金融機関でも証券子会社設立などいろいろな取り組みを始めている。銀行という業態の中で起きていたアライアンスから、業界を越えたクロストレンドになる。金融と非金融、メガと地域金融機関、こうしたトレンドは増えてくると思う」

(布施太郎 編集:石田仁志)

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