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金融庁、マネロン対策強化で官民連絡会 3月に初会合=関係筋
2月23日、マネーロンダリング(資金洗浄)・テロ資金供与防止に向けた金融機関の体制整備を強化するため、金融庁が全国銀行協会などと「マネロン対応高度化官民連絡会」を立ち上げ、3月に初会合を開くことがわかった。写真は都内で2012年10月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)
[東京 23日 ロイター] - マネーロンダリング(資金洗浄)・テロ資金供与防止に向けた金融機関の体制整備を強化するため、金融庁が全国銀行協会などと「マネロン対応高度化官民連絡会」を立ち上げ、3月に初会合を開くことが分かった。
複数の関係者が23日、明らかにした。
マネロン対策などの国際協力を進める政府間会合、FATF(金融活動作業部会)による対日相互審査が2019年に行われるのを前に、金融庁は官民共同の取り組みで金融機関のマネロン対策の底上げを目指す。
連絡会では、マネロン・テロ資金対策に関する内外の取り組みのほか、FATFの審査の動向や主要な審査項目などについて情報の共有を図るとともに、意見交換を行う方向だ。
金融庁はこれまでも、金融機関にマネロン対策を強化するよう促してきた。昨年12月には、マネロン対策の基本や金融機関の先進的な取り組みを盛り込んだガイドラインを作成・公表。疑わしい取引のリスクを見出し、資金洗浄を未然に防ぐよう、金融機関に体制整備を求めている。
しかし、個人が生活資金用に開いていた口座に、突然多額の現金が持ちこまれ、その全額が海外の法人に貸付名義で送金されたにもかかわらず、金融機関がマネロンの可能性に気付かない事例が発生するなど、金融機関の中には体制整備が遅れ、経営陣の意識も低いところがあり、金融庁は危機感を強めている。
FATF(金融活動作業部会)の第4次対日相互審査で不備を指摘された場合、最悪のケースでは、海外の銀行と邦銀の間で結ばれるコルレス契約(為替業務の代行契約)の解除などの制裁を受けかねない。
金融庁幹部はマネロン・テロ資金供与対策について「低いレベルの金融機関が1つでも存在すると金融システム全体に影響し、日本全体の対策が脆弱との批判を招く恐れがある」と金融界全体の取り組みの重要性を訴えている。
金融庁と全銀協の広報担当者はともに「コメントを差し控える」としている。
*内容を追加します。
(伊藤純夫、和田崇彦 編集:田巻一彦)