ニュース速報

ビジネス

米FRB当局者、雇用統計を良好と評価 12月利上げの公算強まる

2015年11月07日(土)04時52分

 11月6日、FRB当局者2人は10月の米雇用統計を評価し、12月利上げの公算が強まっていることを示唆した。写真はワシントンのFRB本部。9月16日撮影。(2015年 ロイター/ Kevin Lamarque)

[6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者2人は6日、朝方発表された10月の米雇用統計を「非常に良好」な内容と評価し、12月利上げの公算が強まっていることを示唆した。

10月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が27万1000人増と、市場予想を上回り2014年12月以来の大幅増となった。失業率も2008年4月以来7年半ぶりの水準となる5.0%に低下した。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁はCNBCとのインタビューで「われわれは状況が利上げに適切なようだと示唆してきた」とし、「実体経済はそれ以上に改善しているようだ」と語った。

同時に、12月会合では利上げの可能性に先入観を抱かずに臨む考えを表明した。エバンズ総裁は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つ。これまで、2016年の利上げ実施を望むとの立場を示してきたが、10月には金利の道筋を緩やかにすることが利上げ開始時期よりも重要と発言し、態度を軟化させていた。

9月会合で利上げを主張したセントルイス地区連銀のブラード総裁はこの日、米経済は事実上、完全雇用の状態にあるとし、「最高の出来と言えるのではないか」と述べた。

ブラード総裁はさらに、インフレ率が2016年末までにFRBの目標を達成する水準まで上昇し、当面は同目標を上回って推移するとの見方を示したほか、失業率は4%まで低下する可能性があると指摘した。

米金利先物市場では、FRBが72%の確率で12月15━16日のFOMCで利上げに踏み切るとの見方が織り込まれた。前日は58%だった。

利上げ開始後の金利の上昇ペースにも注意が向けられている。

エバンズ総裁は、インフレ率がFRBの目標からなお程遠い状況下で利上げに踏み切る影響を懸念しているとの考えを重ねて示し、FRBは利上げペースが緩やかであると伝える必要があるとした。

賃金の上昇ペースがさらに加速することを確認したいとの見方も示した。

ブラード総裁は、FRB当局者が金利は緩やかに上昇すべきとの見解で一致しているものの、初回利上げ後の2度目の利上げを実施する時期を含め、「健全な」議論を行っていく必要があると強調。「2度目の利上げを実施して初めて、『緩やか』の言葉が意味することが明らかになる」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で

ビジネス

NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総

ワールド

トランプ氏、マムダニ次期NY市長と初会談 「多くの
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中