ニュース速報

対中関税延期は「見返りでない」、中国の譲歩見られず=米政府高官

2019年08月15日(木)01時52分

[ワシントン 14日 ロイター] - 米政府が対中関税措置「第4弾」の特定品目発動を延期したことについて、米高官は14日、中国が延期発表後も譲歩する姿勢を示していないことを明らかにした。ただ、貿易戦争の解決に向けた協議は継続され、市場は忍耐強く見守る必要があるとの考えを示した。

トランプ政権は前日、9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動を12月15日に延期することを決定。ロス商務長官はCNBCのインタビューに対し、対中関税第4弾発動の一部延期は「見返りではない」とし、中国側から譲歩は一切ないと語った。

その上で、米中通商交渉の現在の状況を見極めることは時期尚早とし、米中の交渉団による電話協議は予定されているものの、次回の直接会談の日程は決まっていないと指摘。「正式発表があるまで、さらに双方が合意するまで、交渉がどの段階にあるかを話すことは時期尚早の感がある」と語った。中国が9月に直接会談を持つことにコミットしているかとの質問に対しては「日程は設定されていないはずだ」と応じた。

このほか、ホワイトハウスのナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)はフォックス・ビジネス・ネットワークのインタビューに対し、関税措置の一部発動延期は、米企業への痛手を和らげるためだったと説明。発動延期に対する中国による譲歩を期待することは「完全に誤っている」と述べた。

その上で「われわれは中国に痛手を負わせることを目標としている。米国に痛手を負わせることではない」とし、「9月1日付で関税措置を単純に発動させれば、米国に対する痛手が中国よりも大きくなる。これはばかげたことだ」と述べた。

米中当局者は通商問題を巡り月内に再度電話会談を実施する予定。ただナバロ氏は、関税措置第4弾の発動前に米当局者が中国側と何について交渉するかは明らかにせず、「交渉は非公開で行われる。忍耐強くある必要がある」と述べるにとどめた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身も認める「大きな胸」解放にファン歓喜 哺乳瓶で際どいショットも
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 7
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中