ニュース速報

英国、イランによるタンカー拿捕受け対応検討 選択肢乏しく

2019年07月22日(月)14時48分

[ドバイ/ロンドン 21日 ロイター] - 英国は、イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRG)」が英船籍石油タンカーを拿捕(だほ)したことを受け、今後の対応を検討しているが、良い選択肢はほとんどないようだ。

英首相府は、メイ首相が22日朝に緊急対策委員会を招集すると発表している。

IRGは19日、ホルムズ海峡で英船籍のタンカー「ステナ・インペロ」にヘリコプターから降下し、同タンカーを拿捕。約2週間前に英国が、欧州連合(EU)の制裁に違反したとみられるイランの大型石油タンカーを英領ジブラルタル沖で拿捕したことへの報復措置とみられている。

ロイターが21日にイラン国営メディアから入手した映像では、タンカーはイランの港に停泊しており、イランの国旗が掲げられている。

英政府は22日に議会で、次の対応を発表する見通しだが、中東地域の専門家らは、米国がすでに最大限の経済制裁を科してイラン産原油輸出を全面的に禁止していることから、英国が現在取れる措置は特にないと指摘している。

英国の防衛専門家、ティム・リプリー氏は英軍事週刊誌「ジェーン・ディフェンス・ウィークリー」で、「われわれが危機解決につながる譲歩案を提示できるとは現時点で思わない」と述べた。

20日にイランによるタンカー拿捕は「敵対行為」だと非難していた英政府当局者らは21日、目立った発言をしておらず、対応が決まっていないことを浮き彫りにしている。

エルウッド国防担当閣外相は、スカイニュースに対し「一連の選択肢を検討する予定だ。同僚や同盟国と協議し、実際に何ができるか判断する」と語った。

「われわれの最も重要な責任は、このタンカーに関する問題の解決策を確実に得て、ほかの英船籍タンカーがこの海域で安全に航行できるようにした上で、より大局的に状況を把握することだ」と付け加えた。

*語句の一部を手直ししました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノボノルディスク株が7.5%急騰、米当局が肥満症治

ワールド

ロシアがウクライナを大規模攻撃、3人死亡 各地で停

ビジネス

中国万科、最終的な債務再編まで何度も返済猶予か=ア

ビジネス

中国、来年も政府債発行を「高水準」に維持へ=関係筋
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中