ニュース速報

中国、銀行に実体経済の支援促す必要=人民銀行幹部

2019年01月21日(月)15時43分

[上海 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の孫国峰・金融政策局長は21日、人民銀行が発行する「中国金融」に寄稿し、国内の与信を拡大するためには、銀行に融資拡大を指示するよりも、積極的な実体経済の支援を銀行に促すことが重要との認識を示した。

同局長は、銀行の与信を制約する大きな要因として、1)資本の補充のタイミングの問題、2)銀行の流動性不足、3)金利の波及効果の低さ──を指摘。金融緩和が与信条件の緩和につながるよう、人民銀行は、こうした制約を軽減する措置を導入していると表明した。

局長は「適切なタイミングで資本が補充されなければ、次の(融資の)段階で妥当な与信が制限される可能性がある」とし、資本の補充に向けて銀行に永久債の発行を促す取り組みを加速する方針を示した。

局長は、一部の銀行では「外国為替状況の変化」に伴い、流動性が中・長期的に大きく制約されているとも指摘。預金量で新規融資額を決める銀行の慣習も、新規与信の制限につながるとの見方を示した。

人民銀行は、的を絞った預金準備率の引き下げや的を絞った中期貸出制度(MLF)など、様々な措置を通じて中小企業への融資を奨励しているという。

局長は、春節を控えた人民銀行の資金供給により「全体の流動性を正確に確保できた」とも述べた。

金利の波及効果が低いと、銀行融資の需要が抑制されるとも指摘。人民銀行が、一部自由化されている市場金利と一致しない指標預金金利・指標貸出金利の公表を続けていることに触れ、市場原理に基づく金利改革を促し、2つの金利の道筋を緩やかに統一する方針を示した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米政界の私的チャット流出、トランプ氏の言

ワールド

再送-カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブル

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え

ビジネス

焦点:米中貿易休戦、海外投資家の中国投資を促す効果
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中