ニュース速報

不安定な原油相場、予測不可能な米政権や保護主義が影響=ロシア・エネルギー相

2018年12月28日(金)01時53分

[モスクワ 27日 ロイター] - ロシアのノバク・エネルギー相は27日、ここ2年の原油相場の変動は、保護主義の高まりや貿易戦争の激化、米政権が予測不可能なことが大きく影響しているとの認識を示した。

原油相場は振れが大きい状況が続いており、今第4・四半期は3割以上下げている。

ノバク・エネルギー相は会見で、中国やインドの対応、貿易戦争、トランプ米政権の予測不可能なことなどを不確実要因として列挙し「これらが価格ボラティリティの決定的要因だ」と述べた。

トランプ大統領は、原油価格を巡って石油輸出国機構(OPEC)を厳しく批判し、価格抑制に向けた対応を要求している。

ノバク・エネルギー相は、OPECと非加盟産油国が今月、年明けからの日量120万バレルの減産で合意したのは、米国が一部の国に対イラン制裁の適用を一定期間猶予したことが主な理由と説明。

「イランに対して厳しい制裁が実施されていたら(減産)を決めなかった」と述べた。

来年のロシアの生産については、減産合意に則り、年前半に300万─500万トン削減し、その後、2019年全体で18年と同程度の5億5600万トン(日量1112万トン)に戻すことが可能との見方を示した。

また、今後2年間において年間生産量を1000万─1500万トン(日量20万─30万トン)まで増やすことが可能と述べた。

現在、米国の生産量が日量1160万トンと、サウジアラビアやロシアを上回っているが、ノバク氏は米国の原油生産が減少し始めるのは時間の問題と指摘。「米国はいくつかの問題に直面している。直近の(生産)ブームにもかかわらず、効率性が低下しており、資金調達をより困難にしている」との見解を示した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

BMWの供給網、中国系半導体ネクスペリア巡る動きで

ワールド

中国の大豆調達に遅れ、ブラジル産高騰で 備蓄放出も

ビジネス

円債2300億円積み増しへ、金利上昇で年度5550

ビジネス

英、「影の船団」対策でロ石油大手2社に制裁 中印企
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中