以上、東京の自転車シェアリングの使いにくさについて述べてきたが、それが役に立たない最大の理由、それは、そもそも都心部では自転車に乗りたいというニーズがそれほど強くないことである。このエリアでは地下鉄とJRが密なネットワークを作っており、だいたいどこでも10~15分ぐらい歩けばどこかの駅に着く。ここには「ラスト1キロ問題」がほとんどないのである。

ドコモにシェア自転車を任せたのが失敗だ

東京で自転車が駅まで行ったり買い物に行く手段として大活躍しているのは、むしろ山手線の外や多摩地域である。駅までの距離が遠い地域が多くなるからだ。そういう地域ではシェア自転車への潜在的ニーズもあると思う。例えば、駅と、駅から離れた住宅団地の双方にシェア自転車を並べておけば、かなりの利用が見込めるのではないだろうか。

シェア自転車が自分で自転車を持つよりもいい点は、これによって「ラスト1キロ問題」だけでなく、「ファースト1キロ問題」をも解決できることである。私は過去に自宅から駅まで徒歩15分、1時間ほど鉄道に乗り、着いた駅から職場まで徒歩20分という時代があり、その時は自宅と職場の双方にマイ自転車を持っていた。もしあの時シェア自転車があれば2台も自転車を持たずに済んだ。

鉄道と自転車を組み合わせて通勤・通学する人が多い日本の交通システムは、低炭素化の観点からみて大変優れたものであり、シェア自転車はこの交通システムにうまくフィットする。ぜひ日本でも成功させてほしいが、そのためにはドコモ・バイクシェア以外の運営主体が必要だと思う。