一つは、9割を超える世帯がケーブルテレビを受信できる有料放送に加入していること。もう一つはVOD(ビデオオンデマンド)である。

 韓国では難視聴改善のため、1995年ケーブルテレビが登場した。マンションの場合、テレビを買って壁にアンテナケーブルを差し込んでも何も映らないことが多い。ケーブルテレビかIPTVに加入して地上波テレビ再送信を利用するしかない。

 韓国のマンション団地はその地域のケーブルテレビと団体加入契約を結んでいる。テレビを保有する家庭は、電気代に公営放送KBSの受信料が上乗せされ、マンションの管理費にケーブルテレビ利用料が上乗せされる。「うちはケーブルテレビ観ません」といっても通用しない。全世帯が選択の余地なくケーブルテレビに加入しないといけない。そうしないと地上波放送も観られないからだ。

 ケーブルテレビの料金は団体契約なので非常に安く、50チャンネルほど受信できる基本プランだと月4〜500円しかしない。100チャンネル以上観られて画質もいいデジタルケーブルテレビや4Kケーブルテレビは月1000円ほどする。

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韓国民間地上波放送局MBCのケーブルチャンネルMBCplus

 韓国の地上波テレビ局は、インターネットが家庭に普及し始めた1997年から、自社のホームページにテレビ番組の「ダシボギ(다시보기)」を提供し始めた。ダシボギとはもう一度見る、という意味で、テレビで放映した番組をインターネットからもう一度見る、つまりVODのことである。韓国の全テレビ局は、ドラマやバラエティー、ニュースなど、海外ドラマと映画を除くほぼすべての番組をVODで公開している。

 インターネットさえ使えれば、いつでもどこでも好きな時に好きな端末からテレビ番組を視聴できるので、韓国では予約録画がいらなくなった。ハードディスク録画とか、ブルーレイとか、韓国ではあまり馴染みのない言葉である。

 デジタルケーブルテレビ、IPTV、衛星放送に加入している場合、テレビのリモコン操作で見たい番組のVODを視聴できる。料金は月々見放題で1000円以下、都度課金だと1本100〜150円ほどする。リモコン操作で好きな番組や映画のVODが観られるのでとても楽である。