高校をトップの成績で卒業したベゾスは、卒業式で「地球は国立公園に指定して温存するべきだ」といった内容のスピーチをした。それから40年後、ベゾスは「国立公園」を「居住区と準工業地域(light industrial)」に置き換えて、同じようなスピーチをした。エネルギー資源は隕石や月など宇宙で発掘し、製造業も地球外に移動させ、地球はそのまま手付かずにする。それがブルーオリジンの大きな目標だ。

目指す目標も性格も異なるこれら2人のライバルは、ことあるごとに相手を挑発しあってきた。この2冊の本にも描かれているが、ときにはツイッターで大人げないやりとりもしている。

しかし、それは決して悪いことではないと思う。

アポロ11号が月面着陸を果たしてソビエト連邦に勝った後、アメリカで宇宙開発事業が衰退した状況についてダベンポートは「競争相手の不足は、自己満足をもたらす」と説明していた。

マスクがリスクを取って突き進んでいくためには陰で蠢くベゾスの存在が、カメのベゾスにとってはウサギのマスクが刺激になっている。

ダベンポートはこう書いている。

「実際のところ、彼らは互いを必要としている。ライバル意識は、つまるところ、最高のロケット燃料だったのだ」

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