切実なメッセージだが、それは『Lab Girl』のほんの一部でしかない。

 詩のように美しい植物の描写、北極圏でのフィールドワーク、弟のような存在になったエキセントリックなラボ管理者ビルの逸話など、ときおり文芸小説を読んでいるような錯覚を抱くほど波乱万丈で面白い。

「女性科学者による回想録」という説明文から受けるイメージを捨てて読めば、必ず心に響く出会いがある本だ。