アパート代や生活費を工面する方法も知らず途方にくれるクリスティーナに、勾留されていた父親が解決策を持ちかける。クリスティーナの名前なら政府に見つからずに銀行口座が開ける。そこに父の知人が生活費の入金をするという。最愛の父を信じるクリスティーナは指示に従うが、後になって父が自分のクレジットカードを使って多額の借金をしたことを知る。
裏切った父親を訴えず、借金を背負い込んだクリスティーナは、やがてホームレス への転落を避けるために、低賃金の怪しくいかがわしい仕事にも手をつけるようになっていく――。
幼い頃から女優を夢見てきただけあって、クリスティーナはゴージャズな美人だ。19歳までは一般人が想像もできないような贅沢な暮らしもしてきた。では彼女が、もし家や財産を失わなかったら、本当にそのままで幸せだったのだろうか?
『After Perfect』を読むと、そうは思えない。一般人が思うほど金持ちの生活は羨ましくない。人を騙してまで巨額の金をゲットしても、お金とはこんなにもあっさりと無くなる。
さらにクリスティーナは、美貌ゆえに悪い男たちの性的なターゲットになる。本人もそのアセット(資産)を無意識のうちに利用してしまう。だからお金持ちだけでなく、美人であることも、そう得とは思えない。
すべては諸行無常、盛者必衰、ただ春の世の夢のごとし......。
味噌汁とご飯で幸せになれる自分がありがたくなる本だ。
After Perfect: A Daughter's Memoir
Christina McDowell
Gallery Books