1つは同盟を組む相手を正しく決めた、という点。プレーヤーはまずどこの国と同盟になるのかをコミュニケーションしながら決める。CICEROはGoff氏に手を組むことを提案。Goff氏もこの提案に「いいアイデアだ」と返事した。ところが、同氏のちょっとした反応からCICEROは、同氏が同盟関係に消極的であることを見破ったもようだという。

2つ目は、信頼関係の醸成。関係性をよくするような会話をする一方で、重要な戦術に関しては詳細に議論したという。

3つ目は、すぐれた戦術の提案。CICEROは熟練プレーヤー並みの戦術を、同盟国のプレーヤーに教えたという。初心者プレーヤーでもCICEROの知恵を借りて、世界チャンピオンと伍して戦えたらしい。

4つ目は、すべての国と対話を継続した点。ディプロマシーでは、同盟国がいつ裏切るか分からない。今の敵国と同盟を組まなければならない状況になるかもしれない。なのでCICEROは、敵国ともコミュニケーションを継続していたという。

5つ目は長期的視野。目の前の小さな勝利より、最終的な大きな勝利を求めて長期的な視野で戦っていたという。

6つ目は、誠実であったという点。たとえ敵国にも、うそをつくことはなかったという。もちろんすべての情報を敵国に開示していたわけではなく、開示していい情報とそうでない情報を判断し、使いわけていたという。

CICEROの開発チームのエンジニア、dam Lerer氏は当初、CICEROに誠実さと狡猾さの両方を持たせ、嘘をつくこともできるようなプログラムにしていたという。ところがCICEROは誠実さだけで戦ったほうが勝率が上がったらしい。

最終的にCICEROは、基本的に誠実で、人間と共同作業ができるAIになったという。世界チャンピオンのGoff氏は、誠実さと協調性が求められる領域でCICEROが大活躍するのではないかと語っている。

CICEROに関してはAI研究者の間でも評価は高く、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授は、2022年に見たAIの中でもCICEROの性能に非常に驚いたと語っている。

【動画】戦略ゲーム「ディプロマシー」をプレイするシセロ