またユーザーが歩いたり走ったりする感覚はomnidirectional treadmillと呼ばれる全方向のルームランナーのようなもので表現されるようになる。


ここまでくると、リアルの空間でできることのほとんどすべてが、メタバースでも実装できることになる。


ただ問題はコンテンツだ。現実空間のデータをリアルタイムで把握し、それに従って仮想物体の動きを変えるMRのコンテンツを作るのは簡単ではない。ゲームやアプリを開発するのとはわけが違う。


なので、開発者の開発意欲に火をつけるためには、まずデバイスが売れないといけない。しかしデバイスが売れるためには、いいコンテンツがなければならない。鶏と卵の関係だ。このためメタバースの一般消費者市場が立ち上がるまでに、十分な時間と投資が必要になるだろう。ただ同氏によると、「一度、天秤が傾けば一気に市場が急成長するはず」と予測する。


デバイスとコンテンツの両方が揃い、広く普及すれば、多くのユーザーは現実空間と仮想空間の両方で生活するようになるだろう。


リー氏によると、今ほとんどすべての企業がAIを活用しようと必死になっているように、2041年にはほとんどすべての会社がメタバースを活用しようと必死になるだろうという。

失業したらゲームの中で暗号通貨を稼ぐ

それまでは、メタバースの用途は、ゲーム、エロ、教育、訓練が中心になる。一般消費者向けほど広く普及しないだろうが、それぞれの分野でかなり大きな市場を築くことが予想される。私自身は、特にゲーム系のメタバースが、ブロックチェーンや暗号通貨という技術を使った経済圏に発展し、ビジネス的に大成功する、と考えている。その兆しはAxie Infinityというベトナム発のゲームに見られる。このゲームは、ゲームの中に暗号通貨を稼ぐ方法が幾つかあり、コロナで職を失った人の中には、このゲームの中で稼いだお金で生計を立てている人もいるという。2018年にリリースされたゲームだが、まずはフィリピンで人気となり、その後世界中に拡散中で、累計売上は既に30億ドルに達しているという。


一方2041年ごろに「スマートストリーム」がスマホ以上に普及すれば、それ以降はコミュニケーションを始め、今はだれも思いつかないような新たな用途も出てくることだろう。


これがリー氏が考えるメタバースのロードマップ予測だ。


一方、コンタクトレンズなどつけずともホログラムを使って裸眼で仮想コンテンツを表示できるという主張もある。一時期、ホログラムを使ったプロモーション動画を発表し非常に大きな注目を集めたMagic Leapという会社があったが、結局同社が新製品として開発していたのはXRグラスだった。同社の名前はその後ほとんど聞かれないようになった。

ホログラムは難しい