一方で、3月から5月にかけて入所者を施設に戻した政策については、結果的におそらくは数千人の人が命を落としたわけで、この公表数字の問題よりははるかに深刻です。ですが、今回は大きな問題にはなっていません。3つの見込み違いが重なったということ、何よりも前例のない中で病床確保に猛進した知事の行動は批判すべきものではないということもありますが、そもそも問題として分かりにくいからだと思われます。

そんなわけで、知事としては今回の批判は余りにも政治的であると反発しており、そこに同情の余地があるかといえば、あると思います。ですが、結果論とはいえ、数千人の救えたかもしれない人命を救えなかったこと、それから知事が出版社の安易な企画に乗って自慢話を出版したことについては、政治的責任を免れないと思います。

以上が今回の問題の現時点でのストーリーです。リベラル派でも権力は腐敗するとか、そういった種類の問題とは違うと思います。

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