冷静に考えれば、そうした政治集会では、大統領から直接感染する可能性は少ないでしょう。ですが、この種の集会というのは「最も気にしない人」が集結しているというのは間違いないわけで、リスクは相当に高いイベントになります。そうなると「接戦州における投票行動未決定者」がそんな集会に行くとは考えられません。また集会に行く熱心なトランプ信者の声が、無党派層に届くとも思えません。
まだ最終的な情勢判断をするには早いですが、コロナ禍を利用して強気の姿勢をアピールするトランプ大統領の戦術は、それほど効果はないのではないかと思えるのです。ただ、大統領はこの選挙戦の最終局面においては、無党派層つまり未決定層へのアピールではなく、極端な立場を取るコア支持層を固めることに躍起になっています。こうなると、孤立感を強めるそうしたグループが、大統領に煽られて暴力沙汰などを起こすことが真剣に心配されます。
先週末には、ミシガン州でコロナ対策に不満を持った極右グループが、民主党の女性知事を誘拐しようとした未遂事件がありました。退役軍人2人を含むグループの13人は、ボディービルに熱中しており、コロナ禍でスポーツジムへの営業停止命令が出ていたことへの恨みを口にしていたそうです。とにかく、そうした極端なグループによる選挙妨害をどう抑え込んでいくのか、選挙戦終盤の最も大きなテーマはそこになると考えられます。
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