檀家が200軒あれば900万円程度の収入を見込める
イメージとはかなり異なるが、どうやらそれが現実らしい。高度経済成長を経て都市化・核家族化が進み、檀家の意味合いが薄れていった結果、寺院の経済的基盤も揺らぎ、多くの僧侶が食えなくなったのである。
行き着く先が、派遣僧侶というわけだ。
著者はもともとサラリーマンであり、仏教にさほどの関心を持っていなかった。しかし、30代半ばに叔父から紹介された東法院になぜだか惹かれていく。
やがて住職を「師匠」と呼ぶようになり、住職がお勤めをする際には経本を借りて読経の真似事をしたり、庭の草むしりやお堂の拭き掃除をしたりするような状態が1年ほど続いた。
そんなある日、「あんたも私の弟子になって得度(僧侶となるための儀式)したらどうだ?」と言われ、それを受け入れる。
最終的に会社を辞めて師匠の「後継指名」を受けて東法院の住職になったのだが、経営は予想以上に厳しかった。
この業界では「檀家が200〜300軒あれば、その収入だけで寺の経営が成り立つ」などといわれる。
1年のうち、葬式がある檀家は約5%ほどとされる。たとえば、200軒の檀家を抱えていると、その5%は10軒。この際、檀家からのお布施を30万円とすると、年間で300万円。これに法要が加わる。すべての檀家が1年に1回、なんらかの法要をすると仮定し、そのお布施を平均2万円とするとそれで400万円。さらに墓地の管理費がわりの「護持会費」などがあるのが一般的でこれが1万円として200万円。トータルすると、900万円程度の収入が見込める。(131ページより)