米国に学ぶ
一部の政策論文は、国際機関を「武器化」して中国を封じ込めてきた米国の戦略を研究すべきだと主張。その上で、世界貿易機関(WTO)のような国際機関を放棄、あるいは軽視するトランプ氏の姿勢によって生じた「すき」を突くべきだとしている。
「一帯一路」などを通じ、知的財産などの分野で世界標準の確立に影響を振るうべきだ、と主張する論文もある。
中国は現在、こうした知見を実践に移している。例えば最近更新された東南アジア諸国連合(ASEAN)との協定はAI主導の貿易やデジタル貿易に焦点を当てており、この分野で先駆者としての利益を確保したい考えだ。
内需回復が課題
HSBCのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、フレデリック・ニューマン氏は、中国の貿易相手国は、中国が消費を回復させることを切望していると話す。
王商務相は3月に次期五カ年計画の発表を控え、輸入拡大が優先事項だと語った。国内総生産(GDP)に占める消費の割合を増やす方針に沿った発言だ。
しかし経済構造の再構築は長期的なプロジェクトだ。トランプ大統領の任期は残り3年であり、次期政権が再び中国を封じ込めるための同盟構築に回帰する可能性もある。
CASS米国研究所の研究員、ジャオ・プー氏は中国人民大学に在籍していた2023年、「激化の一途をたどる戦略的攻勢に、より良く対応するためには、国際機関内における米国の行動原理と、米国の次の一手を深く研究しなければならない」と記した。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由