
常に並外れた存在感を放つ名優スカルスガルドだが、これほど矛盾に満ちた人物を演じる機会は初めてだったに違いない。彼が演じるグスタフは父親失格で、家族への接し方はひどく不器用だが、映画に懸ける情熱は本物で、家族以外の人には最高にチャーミングで温かい側面を見せる。
フランスで開かれたある映画祭で、グスタフは若い女優レイチェル・ケンプ(エル・ファニング)に出会う。すぐに意気投合すると、ノーラに代えて彼女を次回作に起用することを決める。
リハーサルが始まると、レイチェルはオスロにやって来て、しばらく空き家になっていたグスタフの(そしてノーラとアグネスの)家に入り込む。冗談でしょ、と姉妹は思う。なんで私たちの家で撮らなきゃいけないの!
トリアーは長年の相棒エスキル・フォクトと共同で脚本も執筆。説明的な会話を極限まで減らし、映像で人間関係の複雑さを描き出した。
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