各種の世論調査によれば、多くのロシア国民はウクライナ戦争の年内終結を望んでいる。だが戦争が長期化し、経済が上向かなければ国民の税負担は増え、物価は高騰し続ける。そうなればプーチンは20世紀末に権力を掌握して以来、最大のピンチを迎えるだろう。

私の元同僚のロシア人は、プーチンの「足場はぐらついている。自分の戦争を外国の兵隊にやらせているぐらいだから」と語った。支持率は確かに高い(01年9月11日の同時多発テロで国民が星条旗の下に結集していた時期のアメリカ大統領に匹敵する)。

しかしウクライナ戦争の指揮系統に不満を抱いた民間軍事会社ワグネルのエフゲニー・プリゴジンが首都モスクワへ「進軍」を始めた23年の夏、国民は誰も彼を止めようとしなかった。誰ひとり、クレムリン防衛に駆け付けなかった。

あれからの2年半で死傷者はさらに50万人も増え、プーチンの足場のぐらつきは一段と激しくなっている。さて、どこまで耐えられるのか。

※この記事は後編です。前編「100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口なき戦争で疲弊するロシアの危うい継戦能力」はリンクよりご覧ください。

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